新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第45話

「さあて、みんな、食べてね。」 「「「は〜い、いただきます。」」」 声を揃えて、おちびちゃん達がご飯を食べ始めたわ。そう、子供達のお腹が空くと思って、 小さい子から食べてもらうようにしたのよ。ヒカリの妹に、ユキの妹と弟が元気良く食べ 始めたわ。 「お姉ちゃん、これって、ほっぺたが落ちるほど美味しいよ。」 「バ、バカ。恥ずかしいこと言わないでよ。」 ユキは、顔を真っ赤にしているわ。 「でも、こんなに美味しいお肉、初めて食べるよ。美味しいな。もっと食べたいな。」 ふふふっ。子供って正直ね。アタシは思わず言ってしまったわ。 「良いわよ。足りなかったら、お姉さんに言ってね。一杯作ってあげるわよ。」 「うわ〜い。嬉しいな。綺麗なお姉さん、有り難う。」 まあ、アタシが綺麗ですって。何て正直な子なのかしら。正直過ぎて、怖い位だわ。 「じゃあ、ヒカリ。お肉、追加で焼くわよ。手伝って。」 「ええ、任せておいて。」 でも、ユキが近寄って来て、小声で言ってきたわ。 「あの、惣流さん。このお肉、高いんでしょ。それに、足りなくなったら悪いですから、 お終いにしてもらっていいですよ。あの子達には、私から言っておきますから。」 「良いのよ、気にしなくても。それに、アタシを嘘つきにさせないで。子供達には、1人 前の3分の1をあげたのよ。で、人数分の倍以上のお肉を買ってあるから、5回はお代わ りが可能なのよ。だから、心配しなくても良いわ。」 「でも…。」 「悪いと思うんなら、明後日は目一杯付き合って。それでチャラにするわ。それより、悪 いけど、子供達にジュースを出してあげて。」 「そうですか、分かりました。ありがとうございます。」 ユキは、軽く頭を下げると、コップとオレンジジュースを出して、子供達についであげた わ。ユキは、遅れてやって来たから、結局何もしていないの。だから、余計に恐縮してい るみたいね。そんなこと、気にしなくてもいいのにね。 *** 「ただいま〜っ!あれっ、お客さん?」 おっと、ミサトが帰ってきたわ。 「ミサト、お帰りなさい。アタシの友達を紹介するわ。ヒカリにユキよ。」 「こんばんわ、お邪魔しています。アスカさんの友人の、洞気ヒカリです。」 「同じく、森川ユキです。」 「はい、こんばんわ。こちらこそ、よろしくね。」 「今日は、ミサトが前にステーキを食べたいって言っていたから、この2人に作り方を教 わっていたのよ。」 「あら、アスカったら、気がきくじゃない。嬉しいわ。よろしくね、ヒカリさんにユキさ ん。今日は、期待してるわよ。」 「何よ。それだと、アタシの料理が下手みたいじゃない。」 「そ、そんなことないけど、家でステーキなんて、嬉しいじゃない。アスカ一人じゃ作れ ないって言ってたし。」 「そりゃ、そうだけどさ。」 「じゃあ、あと5分で支度出来るから。その様子だと、待っててくれたんでしょ。」 「ええ、そうよ。早くしなさいよね。」 「分かってるわよ。じゃあ、ちっと待ってねえん。」 ミサトはそう言いながら、新しい自室へ消えて行ったわ。あっ、もちろん今の会話は、事 前にミサトと打ち合わせておいたの。ヒカリ達が気を遣わないようにと思ってね。 *** 「「「「「いただきま〜す。」」」」」 ミサトが戻ってきたから、ようやくみんな揃ってお食事よ。アタシ達の分のお肉も焼けて、 とっても美味しそうだわ。シンジはニコニコしてるし、ヒカリにステーキの上手な焼き方 を教えてもらって、本当に良かったわ。 「ねえ、アスカ。これって、ヒカリさんが焼いたの?」 「ううん、アタシよ。ヒカリには、焼き方を教えてもらっただけ。」 まあ、ちょっと手伝ってもらったけどね。 「えっ、うっそ〜。すごい美味しいじゃない。ヒカリさんの教え方が、余程上手だったの ね。」 「なによ、ミサトったら。何か嫌味ったらしいわね。言いたいことがあるなら、アンタが 作ってから言いなさいよ。」 「へっへっへ。ごみん、アスカ。許してね。でも、このお肉って、大きいじゃない。それ なのに、柔らかくて、美味しいわ。まるで、高級レストランで食べるみたいね。」 そこにシンジも加わったわ。 「そうだね、アスカ。とっても美味しいよ。しかも、こんなに大きいなんて。」 「でもね、シンジだけ、もう1枚焼いてあるから。」 「ぬあにぃ〜っ。私の分は無いの?」 イヤだわ、ミサトったら。唾が飛んで来そうじゃない。 「冗談よ。ミサトとシンジは、あと2枚あるから。」 「えっ、ホント?」 「アスカ、えらいっ!」 もう、ミサトったら、現金なんだから。ほら、ヒカリとユキが笑っているじゃない。でも、 シンジが凄く喜んでくれたから、今回のステーキ作りは大成功ね。それに、ヒカリとユキ にとって、明日の良い予行演習になったはずだし。 それに、自分で言うのもなんだけど、今日のステーキは、結構美味しいわね。アタシも、 もう1枚位食べようかしら。 「じゃあ、明日の打ち合わせをしましょうか。食べながらでもいいかしら。」 「ええ、いいわ。」 「はい、いいです。」 「うん、そうしようよ、アスカ。」 こうして、アタシ達は、明日に何を作るのか、そして何を買うのかっていう話をしたの。 こういう話って、やっぱりヒカリが頼りね。アタシは、あまり料理なんてしたことないし、 ましてや多人数の料理の準備なんて、想像もつかないもの。 結局、シンジの好みを聞いて、ヒカリが料理の素案を考えて、アタシとユキが意見を言っ て微調整をするっていう具合に話は進んだの。 で、何を作るかっていうと、お昼は焼きそばとサンドイッチに、何故かタコ焼き。何でも、 鈴原とその妹さんが好きなんだって言うのよ。ヒカリったら、何でそんなことまで知って いるのかしら。 次に、3時のおやつは、小さい子供がいるから、ケーキにプリンよ。良く分からないけど、 ケーキって、思ったよりも簡単に作れるらしいのよ。それに加えて、当然ながらアイスク リームがあるし、小学生はジュースで、中学生は紅茶とコーヒーよ。 最後の夕食なんだけど、シンジの希望を大幅に入れて、メインは肉料理になったわ。でも、 ヒカリの意見を入れて、パーティー料理のような感じにしようってことになったの。まあ、 バイキング形式と言ってもいいわね。 最初は七面鳥にしようって話も出たんだけど、最初から難しくする必要は無いってことに なって、結局チキンの照り焼きを人数分×2にして、今日と同じフィレステーキを小さく 切って出すことにしたの。 それで、魚料理なんだけど、シンジがマグロの刺身が良いって言ったら、アタシ以外はみ んな賛成しちゃったのよ。あんな、生の魚の何処がいいのかしら。結局、魚を何種類かと ご飯を組み合わせることにしたのよ。えっと、寿司っていう奴よね。 何か、お料理っていう感じがしないから、アタシとしてはイヤだったんだけど、シンジの 喜ぶ顔を見て、反対出来なかったのよね。でも、やっぱり夕食には似合わないなと思って、 寿司はお昼に出すことにしたの。 代わりの魚料理は、舌平目のムニエルっていうのになったわ。それにね、ロブスターも出 す事にしたわ。でも、上手く料理出来るか不安だけどね。 後は、エビピラフにカニピラフ、ポテトサラダに野菜サラダ、何種類かのスパゲッティー、 それにカボチャのスープでお終いね。でも、量はたっぷり用意することにしたわ。 こうして、4人でワイワイガヤガヤやりながら、何を作るのか決めていったわ。 でもね、アタシにはちょっとした悪巧みがあったのよ。みんなには内緒だけどね。 つづく(第46話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  さて、アスカの悪巧みとは? 2002.10.29  written by red-x



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