新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第32話

「ねえ、アスカ。起きてる?」 アタシはぐっすりと眠ったはずなのに、シンジの声で目を覚ましちゃったみたい。まった く、シンジったら、しょうがないわねえ。頭にきたから、しばらく寝たフリでもしようか しら。 「ねえ、アスカ、眠っているの?」 シンジは諦めずに声をかけてくるわ。フン!こんな夜中にアタシを起こそうとするなんて、 とんでもないわね。ムシしようっと。アタシはさらに寝たフリを決め込んだわ。 「アスカ、本当に寝ちゃったのかなあ。」 そう言いながら、シンジはアタシに体を密着させてきたの。そう、アタシの背中にシンジ がくっついてきたのよ。そうして、アタシはシンジに背中から抱かれる形になったの。そ したら、シンジったら、こんなこと言うのよ。 「あっ。アスカって思ったよりも柔らかいや。」 まっ、シンジったら、何てこと言うのよ。まるでアタシの体が固いみたいじゃない。まあ、 あれだけしごいたから、そう思われてもしょうがないけどね。でも、そのうち、シンジが 鼻をクンクンさせたのよ。 「アスカって良い匂いがする。これが女の子の匂いなのかなあ。」 きゃっ、恥ずかしいわね。アタシの顔は真っ赤になっちゃったわ。 「そう言えば、アスカの胸って、とっても柔らかかったなあ。もう一度だけ、触ってみた いなあ。でも、そんなことしたら起きちゃうかなあ。」 うっ、まずい。何か、とってもエッチなムードになってるわ。このままだと、シンジがア タシに襲いかかって来るかも。そうしたらどうしよう。叩きのめそうかしら。でも、あん まり痛い思いはさせたくないし、かといって、何の抵抗もしなかったら、きっと最後の一 線を越えそうな感じもするし。 もし、そうなったらアタシのお腹に赤ちゃんが宿るかもしれないじゃない。そんなことに なったら、使徒に負けるかもしないし、絶対にまずいわね。でも、シンジの手が怪しく動 き出したわ。 アタシは、シンジに対しては、ミサトが帰って来るはずだと言っておいたから、まさかシ ンジが変なことをするとは思わなかったのよ。だから、今は無防備な格好なの。上はタン クトップだし、下はショーツ1枚なのよ。流石にまずかったわね。でも、今更後悔しても 遅いわ。何とかこの場を凌がないと。 でも、そんなことを考えているうちに、シンジの手がどんどんと動いて、右手がアタシの お腹を通って、左胸に来たのよ。左手は、アタシの首の下を通って、右胸に来たわ。そう して、最初は大人しくしていたんだけど、ゆっくりと動き出しちゃったのよ。 『もうっ!シンジのドスケベ!ヘンタイ!』 アタシは、叫びたくなる衝動を必死に抑えて我慢したわ。でも、シンジったら、調子に乗 って、ずううっと胸を揉みまくったのよ。まあ、軽くだけどね。それだけならまだしも、 こんなこと言うのよ。 「アスカ、大好きだ。もう、誰にも取られたくない。僕のものにしたい。」 げっ、これってかなりまずいじゃない。何とかして、シンジの暴走を止められないかしら。 「アスカの肌って柔らかいな。他の所はどうなっていいるんだろう。」 えっ、何ですって。まだ何かやろうって言うの。ちょっと待ってよ。 アタシの想いを知ってか知らずか、シンジの右手がアタシの左胸を離れて、どんどん下の 方にやってきたのよ。 『キャーッ、止めてよシンジ。』 アタシの心の叫びは通じなくて、シンジの手は、アタシのかわいいお尻を撫で回したのよ。 もう、こいつったら、本当にイヤらしいわね。 「ごくっ。」 その時、シンジの喉が鳴る音が聞こえたわ。えっ、なあに、何でそうなるの。もしかして、 シンジの暴走は止まらないのかしら。アタシは、シンジの暴走をどうやったら止められる のか、頭を振り絞って考えたわ。 でも、そうするうちに、シンジの手は、アタシのお腹に回って、それからゆっくりと下の 方へと動いていったのよ。 『や、やめてよ。それ以上進んだら許さないんだから。』 でも、シンジの手は止まらなくて、第一次防衛ラインを突破しちゃったの。そう、ショー ツの中に入ってきたのよ。そして、さらに下の方へと進んで行ったの。 『ダメーッ!それ以上は絶対にダメーッ!』 でも、シンジの手は止まらない。このままだと、第二次防衛ラインを突破されてしまうわ。 そこが突破されると、最終防衛ラインも危うくなってしまうわ。アタシは頭をフル回転さ せて、一か八かの賭けに出たわ。 「うんっ。」 そう言って、アタシは少しだけ体を動かしたの。そうしたら、シンジの動きが一瞬だけ止 まったわ。 『今がチャンスよっ!』 アタシは、寝言に聞こえるように、か細い声でこう言ったの。 「…良いよ、少しだけなら胸を触っても…。シンジがアタシのことを本当に好きなら良い よ。アタシのことを捨てないでね…。裏切らないでね…。アタシ、信じているからね…。」 それを聞いた瞬間、シンジの体が、ビクッと震えたの。でも、勘違いしないでね。暴発し た訳じゃあないんだからね。そうして、しばらくの間、シンジの体は固まったように動か なかったけれど、シンジは絞り出すような声で、こう言ったの。 「アスカ、ごめんね。僕は最低なことをするところだった。ごめん、本当にごめん。僕は、 アスカのことが、本当に好きなのに、こんなことをするべきじゃないのに…。僕は馬鹿だ。 本当に馬鹿だ。ごめんよ、アスカ。」 シンジはそう言うと、ゆっくりと右手をアタシのお腹に持ってきたの。そして、左手も胸 から離したわ。 『良かった。これで貞操の危機は去ったわ。』 アタシは安堵したわ。そして、安心したためか、そのまま深い眠りについてしまったの。 つづく(第33話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.8.6  written by red-x