新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第17話

こうして、訓練は始まったけど、まだまだこれからなのよ、シンジが地獄を味わうのは。 ちょっと可哀相かもしれないけど、人類を滅亡から救う為には、シンジに頑張ってもら わないとね。 アタシは心を鬼にして、訓練をする決意をしたわ。 *** 「ア、アスカ、ちょっと休もうよ。」 「駄目よ。戦っている最中は、休憩なんか出来ないもの。それじゃあ、アタシを守れな いじゃないの。しっかりしてよ。」 「そ、そんなこと言ったって。もう、疲れて動けないよ。」 シンジはそう言いながら、座り込んでしまったの。 「んもう、しょうがないわねえ。」 アタシはシンジの顔を両手で掴んで引き寄せて、いきなりシンジの口にアタシの口を押 しつけたわ。そして、シンジにエネルギーを注入したの。そう、これはアタシの超能力 の一つ、『エナジー・チャージ』なの。 この超能力は、大気中のエネルギーを一旦アタシの体に集めて、それを口移しで相手の 体内に直接注入するのよ。これは、特定の男性にしか使えないけど、かなり威力がある らしいのよ。疲れた体に、元気をみなぎらせることが出来るの。まあ、使うのはこれが 初めてなんだけどね。 えっ、だあれ。キスしただけだなんて言う人は。ばっかじゃない。キスしただけで、元 気が出る訳がないでしょう。これは正真正銘の超能力なのよっ! そうねえ、20秒位シンジにエネルギーを注入したかしら。アタシはシンジから顔を離 してみたの。 「はい、これで元気が出たでしょう。もうちょっと頑張ってね。」 アタシは、呆然としているシンジにそう言ったの。そうしたら、やっぱりシンジったら、 元気に動けるようになったみたいね。流石は、アタシの超能力ね。凄い効き目だわ。 「う、うん。もうちょっと頑張るよ。」 シンジはそう言って立ち上がったの。 「それでこそ、アタシの好きなシンジね。一緒に頑張ろうよ。」 アタシが笑顔を向けると、シンジも少し赤くなって微笑んだわ。こうして、アタシ達は 訓練を続けたの。 *** 「も、もう駄目だあ。」 シンジは、マンションの部屋に辿り着くと、玄関前で座り込みそうになったの。しょう がないから、アタシは肩を担いでダイニングの椅子に座らせたわ。 「シンジ、良く頑張ったわ。少し休みましょう。」 アタシはそう言って、シンジに麦茶を出したの。そうしたら、シンジは喉をゴクゴク鳴 らしながら、一気に飲み干したわ。 「アスカ、お代わり頂戴。」 「ええ、いいわよ。」 アタシが麦茶をお代わりすると、今度もシンジは一気に飲み干したの。でも、やっと一 息つけたみたい。さっきまで肩で息をしていたのが、今は収まりかけているもの。 「あら、二人とも早いのね。おはよう。」 「ミサト、おはよう。」 「ミサトさん、おはようございます。」 「あらあら、シンジ君たら、どうしちゃったの。そんなに疲れた顔をして。」 「つ、疲れたんですよ。1時間位走っていましたから。」 「あら、シンジ君が走っていたのは、30分よ。」 「で、でも、つ、疲れた〜。」 「あら、アスカったら、こんなに早くからトレーニングなの。」 そう、今はまだ朝早いの。今日は早起きして、早朝ランニングにしたのよ。だから、今 はまだ朝の7時なの。 「ねえ、アスカさん、お腹が減ったから、何か食べるもの無いかなあ。」 あら、シンジったら、まだ食べる気なの。まあ、育ち盛りだから、良い傾向と言えるわ よね。 「あら、シンジ君、ここに食べ物はあるわよ。」 「ええ、でもそれは、ミサトさんの分なんです。」 シンジがさっき、一杯食べたから、そこにはもう、お好み焼き1枚に、タマゴサンドが 3つしか残っていなかったの。 「あら、私はこの半分でも大丈夫だけど。」 ミサトは優しく言ったけど、それじゃあ、シンジには足りないみたいね。シンジの目が そう言っているわ。 「大丈夫よ。こんなこともあろうかと、まだ用意してあるの。ちょっと待っててね。」 アタシはそう言うと冷蔵庫から色々と取り出して、レンジでチンしてから、予備のパン にはさんでから包丁で小さく切って、シンジの前に置いたの。 「アスカさん、ありがとう。」 シンジは、喜んでパクついたわ。そうして、ハンバーグサンドにカツサンド、焼きそば サンド、ポテトサラダサンドを丸々1斤食べちゃったのよ。 「まあ、シンジ君って凄く食べるわねえ。」 ミサトも口があんぐりっていう感じね。 「そんなことを言ってないで、急いで食べたら。遅刻しても知らないわよ。」 「平気よ。アスカとシンジ君に訓練の指導をしているんだから。もう私は仕事中ってい う訳よん。」 「訓練なら、アタシ一人で十分よ。ミサトに教わることなか、もう無いわよ。」 「まあ、そう冷たいこと言わないでさ。ねえ、アスカ。」 ミサトはそう言いながら、エビチュを飲み始めたの。もう、信じられない。アタシが頑 張っているのに、その横で呑気にビールを飲むなんて。アタシは、思いっきり膨れっ面 をしたわ。 「アスカったら、むくれないでよ。例の件、何とかするからさあ。」 そう言って、ミサトはアタシをなだめにかかったわ。えっ、例の件って何かって。今は 秘密よ。後で分かるわ。 「じゃあ許して上げるわ、ミサト。」 「で、うまくいったら、エビチュ2ダースって本当なのよね。」 「ええ、本当よ。アタシは約束を破ったことはないでしょ。」 「ええ、信じているわ。ああ、愛しのエビチュが後少しで手に入るわね。うううっ、感 激しちゃうわ。」 もう、ミサトったら、エビチュのことになると人が変わっちゃうんだから。これさえ無 ければ良い人なのにね。 こうして、朝は軽く走って体をあっためたから、これからが本当の特訓の始まりなの。 ふふふっ、シンジ、覚悟しなさいよね。あなたは、これから何度も悲鳴をあげる破目に なるのよ。 アタシはそう思いながらも、シンジに向かって笑顔を向けていたわ。何も知らないシン ジは、ちょっと幸せそうな顔をしているわ。もうすぐ、その顔が歪むなんて、本人は、 想像すらしていないでしょうね。 つづく(第18話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  またまた、アスカの超能力が出ました。今回ばかりは、本物の超能力でしょう。多分…。 2002.4.23  written by red-x



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