新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第10話

「ねえ、ミサト。シンジ君は、エヴァに乗る訓練なんてしていないんでしょ。だったら、 今夜は怖くて眠れなくなると思うの。そんな時は、側に人がいると、眠れるんじゃないか しら。」 「まあ、アスカの言う通りかもね。いいわ。シンジ君がいいならそうしましょう。」 こうして、ミサトの家で初めて寝る今夜は、3人一緒に眠ることになったの。 ***  次に、アタシとミサトは、シンジがお風呂に入っている時間を利用して、これからどう するのかを話し合ったわ。 まず、当分の間は、3人で暮らすことにしたの。これは、パイロットの警護の点からも、 好ましいことだったから、ミサトには異議は無かったわ。ビールのこともあるしね。 次が重要なんだけど、アタシは、当分の間、シンジはネルフに行かない方が良いって言っ たの。だって、いきなりエヴァに乗せられて、使徒なんて、あんな化物と戦わされたのよ。 無理に訓練させても、上達する訳が無いじゃない。 でも、何もしない訳にはいかないわ。だから、アタシがシンジの訓練をしたいって言った の。このまま、シンジに無理に訓練をさせて、シンジがエヴァを嫌いになって困るのは、 ミサトもアタシも同じだって言ったのよ。 それに、シンジは同年代の子供なら、心を許すんじゃないかって言ったの。今のシンジは、 父親に反発して、他の大人のことも信じられなくなっているんじゃないかって。だったら、 大人よりも、子供の方が良いわよね。 アタシは、シンジとはうまくやっていけそうだし、大人がやるよりは、よっぽどうまくや れるって主張したわ。 ミサトは、少し考え込んでたけど、最後は、『アスカに任せるわ。』って言ってくれたの。 ふふふっ。これで、シンジをレイから引き離す作戦は、大成功ね。シンジがネルフへ行っ たら、何かの偶然で、二人で出会うかもしれないじゃない。それは避けたかったの。 それに、二人きりで訓練していれば、二人は一層親しくなれると思うのよ。訓練も、楽し いものに変わるかもしれないし。 でも、アタシもシンジには、エヴァをうまく操縦して欲しいから、一通りのことは叩き込 むつもりよ。そうじゃないと、安心して後ろを任せられないもの。 アタシは、この事態を予想して、あらかじめ、ミサトの家に、訓練に必要な物を送ってお いたの。だから、明日からでも、訓練が出来るのよ。 それから、学校のことだけど、シンジと一緒の学校に行くことにしたわ。それで、転校す る日も同じにしたの。その方が、何かと都合がいいものね。 二人が恋人同士であることは、皆に言おうかしら。アタシはちょっと迷ったけど、後で考 えればいいことなので、頭の中から直ぐに消し去ったわ。 そんなことをミサトと決めていたら、シンジがお風呂から出てきたわ。 *** シンジが着替えてリビングにやって来たら、ミサトはいきなり話を持ち出したわ。 「シンジ君、3人一緒に寝ようと思うんだけど、いいかしら。」 「え…ええ、いいですよ。」 シンジは、アタシが事前に根回しをしていたから、少しためらったけど、、すぐにOKし たわ。 こうして、アタシ達は一緒に寝ることになったから、アタシは、シンジと一緒にリビング に布団を3組敷いたわ。そして、ミサトに聞こえないように、シンジにこう言ったの。 「シンジ君が一緒だと、安心して眠れると思うの。良かったわ、ありがとう。」 もちろん、シンジはにっこりしたわ。でも、アタシったら、大事なことを忘れていたの。 そう、お当番のことよ。 「ねえ、ミサト。普段の食事はどうしようか。アタシは知っての通り、あまり料理は得意 じゃないから、外食にしようか。外食が嫌だったら、いい考えがあるんだけど…。」 アタシは気乗りしない口調でそう言ったわ。まあ、しばらくの間は、手軽な料理でもいい けれど、それも長続きしないと思うの。だから、アタシは、食材配送サービスを利用しよ うって、ミサトに提案しようとしたの。それだったら、アタシでも作れるから。 でも、思いがけないことが起こったの。なんと、シンジが横から口を出してきたわ。驚い たわね。シンジったら、自分から何か言うような男じゃなかったのに。もしかして、アタ シっていう明朗快活、スポ−ツ万能、容姿端麗、頭脳明晰の超絶美少女が恋人になったか もしれないわね。いえ、そうに違いないわ。 「僕、少しは料理が出来ますから、やりましょうか。」 「えっ、シンちゃん、料理出来るの?」 ミサトは、目をウルウルさせていたわ。そうよねえ、外食ばかりなんて、味気ないもの。 「ええ、ある程度は。でも、あんまり期待しないで下さいね。」 そう言ってシンジは頭を掻いたわ。まあ、謙遜しちゃって。本当は、物凄くおいしい料理 を作るくせに。でも、アタシも話を合わせたの。 「えっ、シンジ君て、料理が出来るの?いいなあ。今度教えてね。」 アタシは、シンジに笑いながら言ったの。 「うん、いいよ。」 そうしたら、シンジは、恥ずかしそうに言ったわ。 こうして、料理当番は、シンジがやることになったの。でも、アタシも手伝うことにした わ。恋人が何もしないなんて、シンジがストレスをためるに違いないもの。 こうして、大問題の料理当番の件が片づいたから、アタシ達は何の憂いもなく眠ることに したの。シンジを真ん中にして、アタシがシンジの右側に寝ることにしたわ。 「おやすみなさ〜い。」 アタシ達は、おやすみのあいさつをすると、横になって電気を消したの。でもって、アタ シはシンジの方に手を伸ばしたわ。そうして、シンジの右手を握ったの。シンジったら、 アタシの手を握り返してくれたわ。 アタシは、何故か今日は、気分良く眠れそうな気がしたわ。 つづく(第11話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.3.5  written by red-x



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