新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第6話

 検査が終わると、ミサトが待っていたわ。 「二人とも、私と一緒に来て。これから冬月副司令の所へ行くから。」 こうして、アタシ達は、3人して副司令の所へ向かったの。 ***  冬月副司令は、アタシ達の転居先を伝えたわ。シンジはとあるマンションで独り暮らし。 アタシは当分の間、本部に住むことになったの。もっとも、アタシは言われた通りにする つもりはないけどね。でも、ミサトはシンジを独り暮らしにすることに不満のようだった わ。 「よろしいのですね?同居でなくて。」 ミサトは、思いっきり不満そうな顔をして言ったわ。でも、副司令は、顔色一つ変えずに こう言ったの。 「碇達にとっては、お互いにいない生活が当たり前なのだよ。」 でも、ミサトは不満そうな顔をして、今度はシンジに聞いたわ。 「それでいいの?シンジ君。」 ミサトがシンジに聞いたら、シンジは寂しそうにこう答えたわ。 「いいんです。ひとりのほうが。どこでもおなじですから。」 ミサトは、さすがにあきらめて、その場を去ったわ。 *** 「じゃあね、アスカ。また明日ね。」 ミサトがそう言って別れようとしたけど、アタシはミサトを女子トイレに引っ張って行っ て、綾波レイのことを聞いたわ。そうしたら、彼女はまだ重傷で、あと1週間は入院する 必要があるんですって。 アタシは、シンジがレイに会うと、ショックを受けるかもしれないから、当分の間、会わ せないようにした方がいいって言ったの。もしかしたら、怖くなって、エヴァに乗りたく ないって言うかもしれないじゃない。 これには、ミサトも賛成したわ。くっくっくっ。これで、シンジとレイは、最低でも1週 間は会わないわ。その間に、アタシがシンジを完全にモノにすればいいわけよ。 アタシは、他にも、シンジとレイが会わないように小細工をしたから、シンジはレイに会 っていないはずよ。 アタシは、企みの一つが成功すると、もう一つの企みを成功させるべく、ミサトを誘導し たわ。 「ねえ、ミサト。シンジ君のこと、どう思う。」 「ん〜、ちょっち内向的な感じがするわね。それに、何か醒めたところがあるわね。」 「そうよね、ミサトもそう思うのね。あんな子を一人にして、大丈夫かしら。今夜あたり、 使徒の夢を見て、怖くてどっかに逃げちゃったりしてね。」 アタシは、そう呟いたわ。そうしたら、ミサトの顔色が変わったの。しめしめ、これでア タシのもう一つの企みは成功ね。きっと、ミサトはシンジと一緒に住むようになるわ。ア タシは、その場でミサトと別れたわ。そして、決められた本部の部屋には行かずに、コン フォート17マンションに先回りすることにしたの。 ***  アタシは、タクシーを呼んで、ミサトの家に向かったけれど、途中でスーパーに寄って 買い物をしたわ。アタシは、お料理は上手じゃないけど、手軽に作れるレパートリーを色 々と研究したのよ。 でも、無駄だってことが分かったわ。だって、献立を考えていると、頭が痛くなってくる んですもの。だから、食材を家に配送してくれるサービスを利用することにしたのよ。 食材を配送してくれるのって、すっごい楽なのよ。2週間前に5種類位のメニューの中か ら好きなものを選んで頼むの。メニューには、簡単な作り方も書いてあって、料理が上手 じゃなくても、何とかなるのよ。いいでしょ。 しかも、材料は2人分から選べるのよ。それに、月曜日は2人分で水曜日は3人分みたい なことも出来るの。だから、メニューがお魚の時は、人数分頼んで、それ以外の時は2人 分頼んで、それに自分の好きなものを足せば良いのよ。来週からは、それにするわ。 これは、独り暮らしの人にもお勧めね。2人分を頼んで、2回に分けて食べれば、1食当 たり500円以内に抑えられるわよ。 でも、今週はそうはいかないから、しっかり買わなきゃ。それも、簡単に料理出来るもの ね。アタシは、前から決めていたものを買ったわ。まず、おでんよ。ちょっと季節違いだ けど、これって、出来合いの材料を煮込むだけだから、アタシにもOKなの。 次は、何と言ってもハンバーグね。これも、出来合いのものだけど、この際、贅沢は言え ないわ。それに、スパゲッティー。これも麺を茹でて、缶入りのミートソースをかけるだ けなの。アタシは、こうして1週間分の食材を買いあさったわ。 でも、今日の晩ご飯は、すき焼きに決まりね。これも、簡単に出来るのよ。食材を適当に 切って、すき焼きの元を入れて、火をかけるだけ。しかも、箸をつつきながら、話も弾む っていうわけよ。お肉は、たくさん買ったわ。余ると思うけど、2Kgも買ったの。 こうして、アタシは準備万端整えて、ミサトの家に行き、料理の準備をしたわ。えっ、ど うやって入ったかって。実は、超能力を使ったの。『マインドコントロール』よ。 相手の前に立って、自分の言うことを聞くように強く念じるの。簡単なことなら、それで うまくいくわ。だから、本部の人間に使ったのよ。そうしたら、簡単にカードキーをくれ たのよ。 『エンジェル・フェイス』は、残念ながら、男の人にしか利かないの。それで、相手の人 が女の人だったから、『マインドコントロール』を使ったのよ。ちょっと効果は弱いけど、 今回はうまくいったわ。 えっ。アタシとミサトの両方を知っている人だったから、気軽にOKしてくれたんじゃな いかって。ち、違うわよ。アタシの超能力の威力よ。でも、言われてみれば、ドイツで会 ったことがあったかも…。でも、そ、そんなこと、この際、どうでもいいわっ。 えっ、もし二人が外食したらどうするのかですって。そんなこと位、考えているわよ。さ っき、シンジと二人で発令所に向かったときに、シンジに色々と言い含めたけど、外食し ないで、必ず家に帰って食べるようにって言っておいたのよ。 もしかしたら、可愛い恋人が待っているかもしれないわよって言っておいたから、シンジ の性格からして、ミサトが外食しようと言ったとしても、絶対に断るわね。もっとも、ミ サトのお財布の状況からして、それは有り得ないと思うけど、万一ってことがあるものね。 ***  アタシが夕食の準備を終えた頃、ドアが開く音がして、人の声が聞こえてきたわ。 「さっ、入って。」 「ーあ、あのー、おじゃまします。」 「シンジ君。ここはあなたの家なのよ。」 「ーた、ただいま。」 「おかえりなさい。」 良い所に帰ってきたわね。アタシは、玄関に向かって、元気に言ったわ。 「おかえりなさ〜い。」 その声を聞いて、ミサトはびっくりして、こちらを向いたわ。 つづく(第7話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  アスカの『超能力』は、まだまだたくさんあります。 2002.2.5  written by red-x



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