新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第5話

 アタシとシンジは、会って間もなく、恋人同士になったの。これで、シンジの救済は終 わったようなものね。アタシって、はっきり言って、超が付くほどの美少女だし、プロポ ーションも抜群だから、シンジを落すなんて、お茶の子サイサイだったわ。 あれ。シンジったら、いつまでも目にハートを浮かべて、アタシを見ているわ。何かおか しいわね。あっ、しまった。アタシったら、素っ裸じゃないの。しかも、手を後ろに組ん でいるから、全部丸見えじゃない。きゃあっ、いやっ!どうりでシンジの目にハートが浮 かんでいる訳だわ。 はっ。アタシったら、『エンジェル・フェイス』を使ったつもりだったのに、知らないう ちに『エンジェル・ボディ』も使ってしまったのね。この能力を使うなんて、初めてよ。 『エンジェル・ボディ』は、天使の力を極限まで引き出して、アタシの裸体から、目に見 えない特殊な電磁波を発するの。天使の力だけあって、その電磁波を浴びた男の心は、ア タシの意のままになるのよっ!凄いでしょっ! えっ、だあれ。単に裸を見せて悩殺するだけなんて、言う人は。全く、凡人は困るわね。 誰が何と言おうと、アタシの特殊能力は、凄まじい威力を発揮するのよっ! これじゃあ、シンジがひとたまりもない訳ね。でも、このままだと、恥ずかしいから、直 ぐになんとかしなくちゃね。 「シンジ、そろそろ出よう。」 アタシは、そう言うと、タオルを取って、シンジに渡したわ。それから、自分のタオルも 2枚取って、1枚をアタシの体に巻いて、もう1枚で頭を拭いたの。それを見ていたシン ジは、ようやく我に返って自分の体を拭いたわ。 こうして、アタシ達は、シャワーで体を流し終わると、素早く着替えたの。だって、あん まり遅いと疑われるかもしれないじゃない。もちろん、着替え終わったときに、シンジの 携帯電話の番号を聞いておいて、後で連絡を取り合うことを約束したわ。そして発令所に 向かったわ。途中でシンジに色々と言い含めることがあったから、ちょっとゆっくりと歩 いたけどね。 *** 「あれ、アスカったら、ずいぶんと時間がかかったわね。」 発令所に着いたら、ミサトが待っていたわ。そして、シンジと一緒にいるのを見て、探り を入れてきたの。まったく、大酒飲みのくせして、こういうところだけは鋭いんだから、 嫌になっちゃうわよね。 「ええ、ちょっと迷っちゃってね。だって、アタシはここに来るのは初めてだもの。2回 目だったら絶対に迷わないわ。」 あれ、リツコがくすくす笑っている。ミサトも何か複雑そうな顔をしているわ。シンジも 困ったような顔をしている。ああ、そうかミサトは方向音痴だから、きっとまだ迷うこと があるのね。でも、シンジの様子がおかしいから、今日もやったのかしら。 アタシはちょっとイタズラ心を起こし、ミサトに声をかけた。 「ねえ、ミサトもそう思うでしょ。まあ、ミサトだったら、絶対に迷ったりしないでしょ うけどねえ。」 あら。とうとうリツコが吹き出しちゃったわ。シンジも俯いて肩を震わせている。 「ははは。アスカ、そんなことはいいから、今日はゆっくり休みなさい。」 結局、アタシはおとがめ無し。そして、このまま本部所属になることが決まったらしいの。 そりゃあそうよねえ。実際に使徒を倒したアタシを、あの髭親父が手放す訳がないわ。 それに、アタシはドイツ時代にミサトとは仲良くしていたの。だから気心も知れているし、 ミサトだったら、アタシのことを弁護してくれるかもしれないっていう期待があったわ。 それが大当たりっていう訳ね。 「でも、その前に検査をさせてくれないかしら。」 あら。リツコの目が怪しく光ったわ。リツコは綺麗だし、科学者としても尊敬しているけ れど、もうちょっと何とかならないかしら。アタシは正直言って、すぐに休みたかったけ れど、止むなく首を縦に振ったわ。 そうそう、言い忘れたけれど、アタシはリツコとも仲良くしているの。だって、MAGI を使うのには、リツコの助力が必要だし、何よりも同じ女として、格好良いから、結構慕 っているの。ミサトも好きだし、格好が良いとは思うけど、ミサトの場合は、ビールが良 い所を台無しにしちゃうのよね。 「ええ、いいわ。ほかならぬリツコのお願いじゃあ、断れないわ。でも、できるだけ短く してね。」 アタシが答えると、リツコは同じことをシンジにも聞いたわ。さすがはリツコね。確実に アタシがウンと言うことを見越して、アタシに先に聞いてきたのね。女のアタシがOKし たら、シンジも断り難いじゃない。 当然ながら、シンジもOKしたわ。アタシとシンジは、リツコに連れられて、その場から 離れたわ。そして、みっちりと1時間検査を受けて、解放されたの。でも、明日も検査が あるんですって。嫌になっちゃうわ。 検査が終わると、ミサトが待っていたわ。 「二人とも、私と一緒に来て。これから冬月副司令の所へ行くから。」 こうして、アタシ達は、3人して副司令の所へ向かったの。 つづく(第6話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  アスカの『エンジェル・ボディ』は、物凄い威力を発揮したことでしょう。 2002.1.29  written by red-x



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