新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ

 私の名前は森川雪。妹,弟と3人でマンション暮らしだ。その私の家に,憧れの惣流さ んがやって来た。先日惣流さんを見つけてネルフに連絡した件で,お礼を言われたのだ。 惣流さんは,私のことを命の恩人と言ってくれた。こうして,私達は友人になった。

外伝その8 惣流さんの家(前編)

「こんばんわ〜。」 私は,夜の6時丁度に惣流さんの家に着いた。 「あ,森川さん,こんばんわ。」 私のことを碇君が出迎えてくれた。惣流さんではないのが残念だが,体調を崩しているの だからしょうがない。私は内心がっかりしながらも,なるべく表情に出さないように努め た。 「碇君,こんばんわ。どうですか,惣流さんの調子は?」 「うん,今はネルフの仕事を二人でやっているんだ。どうぞ,上がってよ。これから夕食 の準備をするから。」 「えっ,でも,碇君は惣流さんのお手伝いをしているんでしょ。」 「ああ,そうだけど,森川さんがアスカの身の回りのことをやってくれれば,アスカも助 かるだろうし,そこんところをお願いしようかなあって思っていたんだけど,いいかな?」 私はそれを聞いてちょっと考えた。碇君が食事を作って,私が惣流さんのお手伝いをする のは,確かに魅力だったし,お近付きになれるいいチャンスだが,それが惣流さんのため になるだろうか。私は,首を振って碇君に別の提案をした。 「それもいいですけど,もう一つ案があります。私が料理を作って,碇君はそのまま惣流 さんのお手伝いをするんです。実は私,そのつもりで,食事の材料やら何やら,買って来 ちゃったんです。」 私はそう言って,それまで背中の影に隠れていたスーパーの買い物袋を碇君に見せた。碇 君はちょっと驚いたような顔をしていたけれど,直ぐに笑顔になった。屈託の無い,さわ やかな笑顔。これに惣流さんは惹かれたのね。 「森川さん,実は,その方が助かるよ。でも,良いのかなあ,お客さんにそんなことまで させちゃって。」 「困った時はお互い様でしょう。それに,私はネルフのお仕事は手伝えないもの。やっぱ り碇君が惣流さんのお手伝いをするべきよ。」 「そうか,森川さんのお言葉に甘えてお願いするよ。でも,その前にアスカに会ってよ。」 碇君はそう言って,私を惣流さんの部屋に通してくれた。 「こんばんわ,惣流さん。お邪魔します。」 「こんばんわ,ユキ。悪いけど聞こえちゃったわ。ごめんね,お願いごとばっかりで。」 「いいんですよ,私は惣流さんのファンですから。」 「えっ,アタシの?」 「惣流さんは知らないかもしれないですが,結構女生徒からも人気があるんですよ。別に レズとかじゃなくても,惣流さんは格好良いし,美人でスタイルが良くて,スポ−ツ万能 ですから,憧れている人って,結構多いんですよ。」 それに,凛々しいしと言おうとしたが,それはほめ言葉になるのかどうか自信が無かった ので,言葉にするのは止めておいた。 「あら,そうなの。初めて知ったわ。」 そう言いながら,惣流さんの顔はちょっと砕けた感じになった。 「私も,ファンクラブにこそ入っていませんでしたけど,結構惣流さんのファンなんです。 だから,喜んでお手伝いさせて頂きます。」 「ありがとう,助かるわ。」 惣流さんにお礼を言われて,私はちょっと気分が良かった。今は疎開して他の街へ行った 友人達にこの話をしたら,羨ましがるだろうな,きっと。特に部活の後輩には,惣流さん の熱烈なファンが何人かいるし。 「いいんですよ。じゃあ,早速作りますね。ハンバーグとシチューで良いですか?」 私がそう言うと,惣流さんはちょっと複雑な顔をしたが,直ぐに笑顔になった。 「ええ,それで良いわ。よろしくね。」 後で知ったことだが,惣流さんは,碇君の作ったハンバーグが大好物らしいのだ。だが, その時の私には,そんなことを知るはずもなかった。今思うに,惣流さんは,碇君のハン バーグと比べてしまうのをためらったのだと思う。それで,一瞬複雑な顔をしたのだろう。 でも,私は,碇君が料理が上手だなんて知らなくて,知っていても対抗心でハンバーグを 作っていただろうから,結局同じことだったと思う。 私は,キッチンに行くと,早速料理の準備を始めた。惣流さんの家のキッチンはこぎれい で,良く掃除が行き届いている感じがした。これならば,気持ちよく料理が出来るだろう。 「さあて,いっちょ頑張りますか。」 私は声に出して気合を入れた。 私は,シチューの準備から始めた。ニンジンとジャガイモを,まな板の上で乱切りし,ジ ャガイモは水に浸ける。タマネギをくし形に切ったら,鍋に油を熱して,鮭,帆立,イカ の水気を切って炒める。 そうしたら,さっき切ったニンジンとかも一緒に炒め,水を加えてアクを取りながら,ふ たをして弱火で煮込む。 次にルウを牛乳で溶き,少しずつ混ぜながら鍋に加え,コーンも加えて煮る。とろみがつ くまで煮たら,塩とこしょうで味を整えるのだ。 それと平行して,ハンバーグも作る。実は,今日はズルしてしまった。家でハンバーグの 生地をこねてきたのだ。しかも,妹達に食べさせて,味についてはばっちりであることを 確認済なのだ。 今日のハンバーグは,いつもより高い肉を使っていることもあって,これまでに無い美味 しいものになっている。妹達も,いつもよりも美味しいと言ってくれた。 でも,ズルしたのには理由がある。最初からハンバーグを作ると結構時間がかかるのだ。 そういう理由もあって,家でハンバーグの準備をしてきたのだ。 そのハンバーグだが,本当は煮込みハンバーグにしたかったのだが,シチューと一緒では 合わないと思って止めて,普通のにした。その代わり,ソースをいつもよりも良いものに した。 ハンバーグに添えるのは,千切りキャベツだ。そして,ご飯が炊きあがって,5分ほど蒸 らしてから,惣流さんを呼んだ。 「夕御飯,出来ましたよ〜。」 その声を待ちわびていたのだろうか,惣流さんは,思ったよりも早く現れた。 「どれどれ,出来たかな?あっ,なあにこのシチュー。いつものと違うわね。上にかかっ ているパセリは同じようだけど。」 「ええ,これは,シーフードシチューなんです。ハンバーグに肉入りのシチューでは合わ ないと思ったので。」 「ふうん,美味しそうね。じゃあ,早速食べましょう。いただきます!」 「いただきます。」 「いただきます。」 こうして,3人で和気あいあいと夕食を食べることになったのだ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  ユキが初めてアスカの家に来た時のことを書いてみました。 2002.4.12  written by red-x



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