新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ
第47.5話 シンジの人気
「ねえ,昨日のテレビ,見た?」
「うん,見た,見た。怖いわよねえ,危うく私達は死ぬ所だったんでしょ。」
「そうそう,碇君のおかげで助かったみたいだけど。」
「そういえば,碇君は格好良かったわよね。そう思わない?」
「うん,思う,思う。あの,いつもは冴えない碇君だとは思えないわ。」
アスカ達の通う中学校では,このような会話をする女生徒が多かった。昨日のテレビでシ
ンジの活躍が放映されたため,シンジの人気は急上昇したのである。
「おい,昨日のテレビを見たか?」
「ああ,見た見た。」
「惣流さんて,綺麗だったよなあ。」
「ああ,それに儚げで美しかったよな。」
「あの涙が,何て言うか,守ってあげたいっていう気を起こすんだよなあ。」
「そうそう,惣流さんは,やっぱり良いよなあ。」
男子生徒は,こっちの話題の方が多かった。アスカの人気はさらに上がったが,元々人気
が高かった為,今までと大差は無かった。
無論,全世界で同じような現象が起きていたのである。
***
一方,ヨーロッパのとある国では,怪しげな男二人が会話をしていた。
「作戦は失敗だったな。」
「はっ。まさか,エヴァンゲリオンの力があれほどとは,思いませんでした。」
「まあ,良い。だが,これで惣流の娘に手を出すのは難しくなったな。」
「は,はあ。」
「やむを得ん。我々の存在を隠すことを最優先とする。今後は,下手な手出しは控えよ。
いいな。」
「はっ。」
こうして,男達の会話は終わった。
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2002.7.26 written by red-x