新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ



第21.5話 密談


 ネルフエジプト支部で,二人の男女が密談をしていた。女の名前はサーシャ。ロシア系 イスラエル人である。蒼い瞳,長い金髪,長身,スリム,白い肌が特徴の美少女だ。目が 大きいが,大人しい感じがする,14歳の娘だ。 サーシャは,ロシアで生まれ育ったが,幼い頃にイスラエルに移住した。親が軍関係の仕 事をしていたこともあり,小学生の時から本格的な軍事訓練を受けていた。親戚のザナド の親がネルフに勤めている関係から,中学生になってからは,エジプト支部で研修生とし て厄介になっていたのだ。 一方の男の名前はザナド。エジプト人である。黒い瞳,黒いちじれた短髪,長身,スリム, 褐色の肌が特徴の,精悍な顔つきをしている14歳の少年だ。正義と愛を重んじる,勇敢 なイスラームの戦士でもある。サーシャとは親戚の間柄だ。 幼い頃に,狂信者によるテロで母親を失っており,テロリストを心の底から憎んでいる。 このため,サーシャと同じく,小学生の時から本格的な軍事訓練を受けている。世界中か らテロリスト共を一掃するのが,ザナドの望みである。サーシャと同じく,研修生という 名目でエジプト支部にいる。 二人は,国籍や宗教は違えど,親戚であることもあり,割合仲が良かった。 「ねえ,ザナド。ちょっと,お願いがあるんだけど,聞いてくれないかなあ。」 サーシャは,ニヤリと笑う。 「サーシャのお願いは,ろくなことがないからなあ。どうしようか。」 「あなたの好きな,『例の』彼女の写真が手に入ったんだけど,そんなことを言うんだっ たら,他の人にあげちゃおうかなあ。」 「えっ,本当かよ。」 「本当よ。」 「じゃあ,見せてみろよ。」 「あなたが,私の頼みを聞いてくれると言うのならね。」 「うっ,分かったよ。」 ***  支部の中には,サーシャ達の個室がある。それほど広くはないが,1DK位の広さはあ るだろうか。二人は,サーシャの部屋で,パソコンの画面を見つめていた。 「どう,嘘じゃないでしょ。」 画面には,紅い瞳の少女が写っていた。しかも,笑った顔,むくれている顔,すました顔, 百面相とまではいかないが,20枚ほどの様々な表情の少女の画像が写し出されていた。 「す,凄い…。」 この少女の写真や画像データは,中々手に入らないのだ。その少女の画像がこんなにある とは,ザナドには信じられなかった。 「こ,これはどうやって手に入れたんだ?」 「ネルフ本部のお友達からね。ソルトっていうの。ちょっと難しい頼まれごとをされて, その報酬として要求したら,くれたのよ。」 ソルトは,インターネットを通じて知り合った友人だ。色々と語り合ったり,一緒に悪さ をしたり,結構面白い奴だった。奴と言っても,お互いの性別・年齢すら分からないので, 男とは断言出来ないが,話の内容や漏れ聞く経歴から,サーシャは30代の男だと確信し ていた。 そのソルトから,最近久々に連絡が来たのだ。しかも,かなりヤバイ内容の仕事の依頼と 共に。ソルトの話では,ソルトはネルフ本部の幹部の一員であり,秘密の作戦を遂行する ために,サーシャの助けが必要だという。 同じような依頼を,他に3人ほどしているとも言った。ソルトやサーシャと共に,ハッキ ングを行った仲間で,MAGIですらハックしたことから,ハッカー達からはミラクル5 と称えられているのだが。 だが,さすがにその内容を知って,サーシャはソルトに対してネルフ幹部である証を求め たのだ。その証として送られてきたのが,先程の画像だ。確かに,ネルフ幹部でもなけれ ば,あのような画像は手に入らないであろう。何しろ,マスコミ各社が血眼になって探し ても,例の記者会見以来,写真1枚手に入らないのだから。 「分かったよ。やる,何でもやるよ。」 そのような事情があって,ザナドは快諾した。この,紅い瞳の少女の画像を手に入れるこ とは,不可能だと諦めてもいたからだ。友人達にも,自慢が出来る。その日から,ザナド は睡眠時間を削って,サーシャから頼まれた仕事を手伝った。 それは,おそろしく複雑なプログラムであった。  (第22話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  徐々にS計画が進んでいきます。 2002.1.27  written by red-x



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