新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ



第12.5話 アクセス


 ゲンドウは、諜報部に連絡を取っていた。 「そうか…。分かった…。」 ゲンドウは、諜報部との連絡が終わると、冬月に向かって首を振った。 「そうか、駄目だったか。」 冬月は肩を落とす。 「マヤ君の言うことが正しいようだな、碇よ。」 ゲンドウも冬月の問いかけに対して頷く。 「しかし、アスカ君がこれほどとは思わなかったな。」 ゲンドウは、今度は答えない。だが、冬月は続けて話す。 「MAGIを使っているのは間違いないと思われるのに、どうやって使っているのか、全 く分からないとは。アスカ君は手品でも使っているのか。」 ゲンドウは、諜報部を使って、アスカがどうやってMAGIにアクセスしているのか、調 べたが、結果は出なかった。アスカの家の回線からデータのやり取りがあるのは確認でき たが、一体どこに繋がっているのかが、全く解明できないのだ。 しかも、MAGIの方も、不正にアクセスされた形跡はない。MAGIのコピーも同様に アクセスされた形跡はなかった。 そうなると、アスカがMAGIを使わずに処理をしているか、誰にも分からない方法で、 アクセスしているかのどちらかになる。ゲンドウは後者だと睨んで調査したが、全然解明 出来なかった。そこで、アスカの家の回線を直接調べるという方法を取ったのだが、それ でも駄目だったのだ。 普通は、アクセス先から、アクセス元をたどるので、経路を探すのが非常に困難になるの だが、今回は、アクセス先もアクセス元も、両方分かっているのに、経路が分からないの だ。 しかも、MAGIにアクセスした形跡を消すことは、リツコでも難しいことだった。もち ろん、内部から行うのならば、リツコ以外でも出来ないことはないが、外部からとなると リツコでも出来るかどうか、怪しいものだった。もちろん、マヤでは不可能だ。 だから、この一点だけを見ても、マヤよりもアスカの方が、MAGIの扱いに長けている と考えられるのだ。 「仕方ない。アスカ君を呼んで、直接聞くしかなさそうだな。」 冬月が呟くと、ゲンドウも頷いた。 (第13話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2001.11.18  written by red-x