新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ
第6.5話 悶絶
(いってええええええええええええええええええええええええええ!)
アスカに思い切り股間を蹴られたシンジは悶絶し、うずくまった。そして、股間に手を当
てたまま、動かなくなった。
(痛い、痛いよ。アスカの蹴りが、こんなに痛いなんて。)
シンジはあまりの痛さに身動きが出来なくなった。当たり所が悪かったのか、痛みは時間
と共に和らぐどころか、逆に増してきている。
シンジは、あまりの痛さに涙が出てきた。
(痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い…)
シンジの頭の中は、『痛い』の一言が支配している。アスカが何か言っているような気が
したが、それを聞く所ではなかった。
(あんなことをしなければ良かった。)
シンジは、昨日の夜、煩悩に負けた事を後悔した。だが、アスカはまだ、シンジの暴発に
は気付いていないようだ。気付かれたら、どんな目に遭うかわからない。
(もし、万一、アスカに襲いかかっていたら、間違いなく死んでいたね。)
そう思いながら、シンジの意識は薄れていった。シンジが意識を取り戻すのは、それから
30分も経った後であった。
さすがにアスカはシンジに謝ったため、その場は事なきを得たが、シンジの心には、アス
カの暴力に対する恐怖感が芽生え始めていた。
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2001.10.13 written by red-x