新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ
第92話
「シンジ、入るわよ〜。」
「お邪魔しま〜す。」
「失礼しま〜す。」
アタシ達は、シンジ達の部屋に入って行ったわ。そしたらね、男どもったら目を大きく開
いてアタシ達を見たのよ。ノーブラだっていうのがすぐに分かったのね、きっと。でもね、
そんなに見られたら恥ずかしいじゃない。
「さあて、トランプしましょうよ。」
なんて言いつつ、アタシは男どものエッチな視線に気付かないフリをして、シンジの隣に
座ったの。アタシの横にはヒカリ。その横には鈴原。次はユキ、それから相田っていう、
いつもの順番よ。
「何にしましょうか。」
ユキの問いかけに、相田が速攻で答えたわ。
「最初は大富豪にしようぜ。」
で、特に反対する人がいなかったから、大富豪をすることになったのよ。
***
「やったわっ!また大富豪よっ!」
「うわあっ、また大貧民だよ。参ったなあ。」
当たり前のことだけど、駆け引き上手なアタシは連戦連勝。勝ちまくったわ。それに対し
て、シンジは連戦連敗なのよ。まあ、予想された結果ではあるけどね。
そうそう、ルールはこうよ。大貧民から時計周りにカードを捨てるんだけど、前の人より
も強いカードを捨てなければならないの。で、出せなければパスするの。そして、一番強
いカードを出した人が、次に最初にカードを出せるの。
もちろん、手持ちのカードの中で一番弱いカードを捨てるのよ、普通はね。そして、早く
手持ちのカードが無くなった人が上がりで、勝ちなの。最初に上がった人は大富豪になっ
て、次の回では弱いカード2枚を大貧民に渡して、大貧民からは強いカードを2枚もらえ
るの。
だから、大富豪になると強いカードが集まるから、勝ち続けることが多いのよ。逆に大貧
民の人はなかなか上がれなくって、ずうっと大貧民のままなのよ。
大富豪の次に上がった人は、富豪っていって、大貧民の前に上がった人、貧民って言うん
だけど、その人から同じように強いカードが1枚もらえるの。富豪の次に上がった人は平
民といって、カード交換は無しよ。
ローカルルールの中には、大富豪が最初に上がれなかったら大貧民に落ちるっていうのが
あるんだけど、今日はそういうルールではないわ。だから、最初に負けたシンジがずうっ
と大貧民のままっていう訳なのよ。
「アスカ、もう少しお手柔らかに頼むよ。」
シンジは、アタシを縋るような目で見たけど、アタシは冷たく言い放ったわ。
「嫌よっ!勝負の世界は、厳しいのよっ!」
「そ、そんなあ…。」
ガックリと肩を落とすシンジ。ちょっと可哀相だったかしらね。
***
「やったわっ!また勝ったわ!」
「うわあっ、また負けちゃったよ。」
その後、ババ抜きや7並べやその他もろもろをしたんだけど、どうやってもアタシが勝っ
て、シンジが負けちゃうのよ。こんなに負け続けると、さすがに可哀相だわね。何か考え
てあげようかしら。そんなことを考えていたら、ユキが突然場の雰囲気を乱すことを言っ
たのよ。
「あの〜、そろそろ眠くなってきたんですけど。」
あのねえ、ユキ。これからっていう時に何を考えているのよ。ほら見てよ。ヒカリなんて、
せっかく鈴原と仲良くなろうって意気込んでいたのに、ユキのせいで青い顔になっちゃっ
たじゃない。ユキにはおしおきが必要だわね。
「あら、ユキったら眠いの?それじゃあ、相田君と二人で寝てれば。」
「ええっ、ちょ、ちょっと、何を言うんですか。」
「だって、ユキは眠いんでしょ。眠ればいいじゃない。アタシとヒカリはまだまだ眠くな
いから、もっとトランプしたいもの。ねえ、シンジもそうでしょ。」
「う、うん。僕、まだ眠くないや。」
「ワ、ワイもや。」
「そういう訳だから、ユキは眠っていいわよ。相田君と二人でね。ついでに、子供の作り
方でも教えてもらえば?」
「そ、そんなあ…。」
あら、ユキったら涙目になっちゃったわ。ちょっと言いすぎたかしら。
「それとも、一緒にトランプする?」
「は、はい。やります。やらせて下さい。」
ふん、最初っからそう言えばいいのよ。
「じゃあ、これからはペアを組んでやりましょうか。どう、ヒカリ?」
「あっ、う、うん。いいんじゃない。」
「シンジは?」
「いいよ。」
「ユキは?」
「いいです。」
「じゃあ、決まりね。それじゃあ、何をしましょうか。ヒカリ、何かいい考えはない?」
「そうねえ、ポーカーなんかどうかしら。それぞれのペアが、1回ずつ手札を交換するの
よ。息の合ったペアが有利になるわ。」
あら、ヒカリ。ナイスアイデアね。
「そうね、それでいきましょ。」
こうして、今度はポーカーをすることになったのよ。でもね、ただ組むだけじゃ面白くな
いし、ヒカリと鈴原の仲も進展しないじゃない。
「でも、ヒカリ。それだけじゃ面白くないじゃない。だから、ちょっと提案があるんだけ
ど。」
「なあに?」
「二人羽織って、知ってる?」
そう言って、アタシはニヤリと笑ったわ。
つづく(第93話へ)
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あとがき
さて、アスカの提案はいかに。
2003.11.18 written by red-x