新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第41話

「ねえ、トウジとケンスケに話があるんだけど、良いかな?」 「うん、なんや。」 「どうしたんだよ、シンジ?」 「実は、今日のお昼なんだけど、昨日の話と少し違っちゃったんだ。」 「どないしたんや。」 「ほら、昨日はアスカと洞木さんの2人でお弁当を作るっていう話だったけど、ちょっと 量が多いから、どうしようかって話になったらしいんだ。」 「えっ、じゃあ、昨日の話は無しかよ?」 「ワイ、お弁当を当てにして、お金無いんや。」 「ううん、そうじゃなくて、森川さんを誘うっていう話になったんだ。」 「ええっ!」 「良かったやんけ、ケンスケ。」 「で、アスカの作ったお弁当は、僕が食べるんだけど、トウジとケンスケは誰のお弁当を 食べるか決めることになったんだ。トウジは洞木さん、ケンスケは森川さんで良いかな?」 「ま、しゃあないや。それでええよ。」 「お、俺もどっちでも良いけど、それで良いよ。」 「じゃあ、決まりだね。」 シンジは、ニコニコしながらこっちにやって来たわ。 「アスカの言う通りにしたよ。やっぱり、トウジもケンスケも喜んでいたみたいだ。」 「あったり前でしょ。知っていれば、態度の変化も分かるでしょ?」 「ああ、そうだね。2人とも、喜んでいたよ。」 そう言って、シンジも笑っていたわ。 *** 「さあて,行くわよっ!」 お昼休みの鐘が鳴ったら、アタシはみんなに声をかけたわ。そして、昨日と同じ、運動場 の脇に広がる芝生へと向かったの。今日も良い天気で良かったわ。 今日は荷物が少ないから、シンジだけが紙袋を持って、少し早足で階段を降りて、さっさ と靴を履いて外へ出たの。アタシ達の後ろからは,ヒカリに鈴原と相田が付いてきたわ。 ヒカリも紙袋を持っていたわ。 そして、今日もアタシとお昼を食べたいっていうクラスメートをぶっちぎったわ。ああ、 アタシが超絶天才美少女だからかしら。やっぱり、美しいって罪なのね。 「じゃあ、シンジ、お願いね。」 「うん。ちょっと待ってて。」 シンジは紙袋の中からビニールマットを取り出して,素早く敷いたの。昨日と同じだから、 6人でも余裕で座れるわ。 「じゃあ,みんなも座ってよ。ああ、トウジはそこ。洞木さんは、その隣。ケンスケはそ っちね。」 そう言いながら、シンジはアタシの隣に座ったの。シンジが促すと、ヒカリはシンジと反 対側のアタシの隣に座ったわ。そう、鈴原の隣にね。その鈴原と相田の間に森川さんが座 る訳よ。要は、アタシ、シンジ、相田、森川さん、鈴原、ヒカリの順なのよ。 「あっ、遅れてごめんなさい。」 そこに、森川さんが謝りながらやって来たわ。これで、準備はOKね。 「森川さん、そこに座ってよ。」 「え、ええ。」 相田の隣だと知って、ちょっとだけ戸惑っていたみたいだったけど、結局森川さんは相田 の隣に座ったわ。 「じゃあ、お弁当をを広げるわよ。」 アタシが目配せすると、シンジは紙袋から大きなお弁当箱と、その7割位の大きさのお弁 当箱を出して、小さい方をアタシに渡してきたわ。 「す、鈴原。これがあんたのよ。」 「おお、委員長の作ったお弁当やから、美味しそうやな。」 あらあら、ヒカリも鈴原も真っ赤になっちゃって。でも、鈴原のお弁当箱って、大きいわ ね。シンジの2倍近くありそうね。 「あ、相田君。これをどうぞ。」 「う、うん、有り難う。」 こっちもぎこちないわね。でも、まあ良いわ。食べてる内に、何とかなるでしょ。 「じゃあ、食べましょうか。いただきま〜す。」 アタシが言うと、みんなもそれに倣ったわ。 「いただきます。」 「いっただきま〜す。」 「いっただきや〜っ。」 「い、いただきます。」 「いただきます。」 こうして、楽しいお昼タイムが始まったのよ。 さて、今日のお弁当はと言うと、毎度の3段重ねののりご飯に、ポークジンジャー、キャ ベツの千切り、スパゲッティー、春巻きといったところかしら。 本当は、ビーフにしようと思ったんだけど、森川さんと差がつき過ぎるっていう理由で、 ポークにしたの。ヒカリも、もちろん同じポークを使っているわ。昨日、スーパーで一緒 に買ったのよ。 でね、アタシは4kg買って、半分ヒカリにあげたのよ。最初はヒカリも遠慮していたけ ど、授業料の前払いって言って、半ば強引に引き取らせたの。 でも、『鈴原君が喜ぶわよ。』って言ったら、効果てきめんだったわ。『じゃ、じゃあ、 喜んで頂くわ。』って言って受け取ったのよ。 その結果が、今、鈴原のお弁当箱の上に乗っているわ。おそらく、1kgはあるわね。お かげで、鈴原ったら、お弁当箱を開けた途端に目を輝かせちゃっていたわ。ヒカリったら、 それを見て真っ赤になって喜んでいたのよ。 森川さんはと言うと、割合平凡なお弁当だったわ。だから、シンジと鈴原の1kgはあり そうな大量のポークを見て、目を丸くしていたわ。 でも、相田がニコニコしながら『美味しい、美味しい。』って、喜んで食べているのを見 て、少しホッとしたみたい。そうよね、料理は真心が大事よね。アタシみたいに、あんま り料理に心を込めない人は、素材の値段で勝負するしかないけどね。 でも、アタシの狙い通り、食べている時は男女それぞれのペアだかで話すようになったの。 アタシはシンジと。ヒカリは鈴原と。森川さんは相田と。 やっぱり話題は、お弁当のことになるじゃない。そうなると、同じお弁当を持つ者同士が 話が合う訳よ。これで、アタシ以外のペアが、恋人同士になるのに、あまり時間はかかり そうにないわね。アタシは、あまりにも作戦が上手くいくもんだから、大喜びになったわ。 それでね、食後はアタシの持って来たデザートになったわ。昨日、とっても評判の良かっ たアイスクリームね。森川さんも驚いて、そして喜んでいたわ。 で、コーヒーを飲みながら、やっと全員で会話するようになったの。 つづく(第42話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.10.8 written by red-x



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