新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第37話

「さあて、最後はデザートよっ!」 アタシは、最後まで残っていた容器を取り出したわ。そう、女の子の大好物、元気の源、 デザートの時間なのよっ。 「じゃあ、ヒカリ、2人でデザートを食べましょうよ。」 「えっ、ワイのはないんか。」 「ぼ、僕の分はないの?」 あら、シンジまで何を言うのよ。デザートを食べるのは、女の子の特権なのに。でも、シ ンジが欲しがるならしょうがないか。 「ん、もう。2人分しかないのに、しょうがないわねえ。でも、そんなに欲しいなら分け てあげるわ。」 アタシは渋々男どもにデザートを分けることにしたわ。 「今日のデザートは、アイスクリームなの。2人分しか用意していないから、1人当たり の量は少なくなるけど、良いわね。」 「オオオッ!アイスか、ええなあ。」 「アスカ、アイスって、本当なの?でも、少なくなっちゃうなら、私の分はあきらめまし ょうか。」 「アスカ、僕も我慢しようか。」 「そうね。でも、ヒカリは女の子だから、食べなきゃだめよ。確かに、3人で分けると、 1人当たり500mlになるから、丁度良いかもしれないけど。」 「ええっ!ほんまかいな?」 「ちょ、ちょっと、本当なの?」 「なんだ、そんなにあるんだ。」 「惣流さん、ちょっと多くないか。」 4人とも、少し驚いたような声を出したわ。おかしいわね、何か変かしら。アタシが首を 捻っていると、ヒカリがおずおずと言ってきたわ。 「ねえ、アスカ。もしかして、1.5リットルもあるの?」 「ええ、そうよ。だから、2人分よ。」 「でも、アスカ。1人当たり300mlもあれば十分だと思うけど。」 「何言ってるのよ、ヒカリ。それじゃあ、少ないわよ。」 「そ、そんなにお腹に入らないわ。」 「何言ってるのよ。女の子はねえ、デザートは別腹に入るのよ。だから、平気だって。」 あら、ヒカリったら、真っ青になっちゃったわ。日本じゃ、女の子のお腹は1つしかない のかしら。変ねえ、世界共通の常識だと思っていたけど、違ったのかしら。 でも、シンジも鈴原も相田も、みんな化物でも見たような顔をしているじゃないの。なん か、やな感じね。 「まあ、良いわ。みんな、今まで使っていた入れ物を使って。でも、スプーンは女の子の 分しかないけど、それで良いわね。」 シンジを始め、3人とも頷いたわ。そこで、アタシはアイスクリームを同じ位の分量に分 けたの。と言っても、1個100ml程度の大きさに小分けしておいたから、それぞれ3個 ずつ配ったんだけどね。 「お〜っ、何てうまいんや。」 「あら、これって市販のアイスクリームとは、一味違うわね。何て美味しいのかしら。」 「そうだね。濃い味だけど、それでいて甘すぎないね。本当に美味しいね。」 「凄いや。惣流さんて、料理が得意なんだね。」 なんて、みんなが褒めてくれたわ。だから、ちょっと嬉しくなったわ。 「アイスクリームの後は、食後の紅茶よ。」 アタシは、みんなが食べ終わるのを見計らって、紙コップを配ったの。そして、暫くの間 おしゃべりを楽しむことにしたの。 アタシは、ヒカリに色々と学校のことを尋ねたわ。ヒカリは親切だから、何でも教えてく れたの。どの先生が厳しいかとか、学校の人気者のこととか、有名人のこととか、結構面 白いことをね。 でね、やっぱりと言うか、鈴原は「ブラックジャージマン」っていうあだ名が有名で、相 田も「キング・オブ・盗撮マニア」っていう称号があるらしいのよ。それを聞いて、鈴原 は嫌な顔をしていたし、相田も少し青い顔になったわ。 でも、アタシは見逃さなかったわ。シンジを笑いを堪えて腹を押さえていたのをね。ふん、 アンタだってそのうち、良くて「スターのジャーマネ」とか、「王女の家来」とか、場合 によっては、「アスカのマリオネット」なんてあだ名がつくのよ。いい気になって笑って いられるのも今のうちだけね。 おっと、そうそう。相田の様子が変なのよね。 「あら、どうしたのよ、相田君。顔が青いわよ。」 「う、ううん。何でもないよ。」 でも、アタシはピーンと来ちゃったの。 「さっきのことを気にしているんでしょ。あの、500円玉のこと。」 「えっ、ま、まあそうかもしれない。」 「じゃあ、返すわね。借りた500円玉。」 アタシは懐から取り出した500円玉を相田に返したわ。 「えっ、ど、どうしたんだよ、これ。ねじ切ったんじゃなかったのか?」 アタシは笑って、さっきみんなに見せた500円玉を取り出したわ。そうしたら、シンジ も含めた4人とも、笑い出したわ。 「なんや、本当にやったんかと思うたわ。」 「なんだ、おかしいとは思ったのよね。」 「そうだよ、僕だって驚いたよ。」 「良かった。惣流さんて、凄く怖い人かと思ってたんだ。でも、いつすり替えたのか、全 然分からなかったよ。」 これで、ここにいるみんなは、アタシが500円玉をねじ切ったのがインチキだって思っ たはずよ。でも、本当は家でねじ切った500円玉を持ってきたんだけどね。 「でも、みんなには内緒よ。アタシが怖いって思われた方が、アタシにとっては都合が良 いんだから。ねっ。」 アタシの言葉に、4人とも頷いてくれたの。騙すのは悪いとは思うけど、敵を騙すには、 まず味方からって言うじゃない。えっ、使い方が違うって?そんな細かいことは、言いっ こ無しよ。 こうして、シンジのためにと思って、アタシは3バカトリオをちょっとだけ強引に結成さ せたわ。これで、アタシが相手を出来ない時でも、シンジは淋しくはならないはずよ。 それに、ヒカリとも仲良くなって、ヒカリと鈴原の仲を取り持てそうだし。この2人が早 くくっついてくれると、アタシとしてもすごくやりやすいんだけどね。シンジは楽しい学 校生活を送れて、心はかなり癒されるはずよ。 あとは、相田に誰か女の子を紹介すればいいんだけれど、これは難しそうね。レイをあて がおうかとも思ったけれど、ちょっと悪いじゃない。余り物を押しつけるようで。だから、 ミリタリーマニアか、写真に興味のある女の子を探してくるしかなさそうね。 *** 「あっ、いけない。もう少しでお昼休みは終わりよ。」 「えっ、じゃあ、急ごうよ。」 てなわけで、楽しいおしゃべりの時間は瞬く間に終わって、午後の授業になったわ。でも、 お腹一杯食べたせいか、鈴原は授業が始まると同時に寝ちゃったわ。ヒカリが睨んでも効 果無しよ。 アタシは、暫くクラスのみんなを眺めていたけれど、メールの着信に気付いたわ。そうし たら、やっぱりヒカリで、こう聞いてきたの。 『どうして、お料理会なんて開くの?』 『アタシの料理は、レパートリーが少ないの。それに、色々と忙しいから、簡単に手早く 出来る料理をたくさん覚えたいのよ。』 『でも、なんで鈴原達を誘ったの?』 『ヒカリが鈴原君に好意を持っているのが、直ぐに分かったからよ。でも、アタシの勘違 いだったら、別のもっと格好良い人に変えてもいいけど。』 『ううん、良いわ。アスカ、本当にありがとう。』 『どういたしまして。じゃあ、授業中だから、また後でね。』 ふふふっ。やっぱり、ヒカリは鈴原のことが好きなのね。応援してあげないとね。アタシ はそんなことを考えながら、ニコニコと笑ったわ。 つづく(第38話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  あっと言う間にヒカリと仲良くなったアスカです。3バカトリオの結成も間近でしょう。 このままだと、ヒカリとトウジの仲も急接近するでしょう。あぶれたケンスケの面倒を見 ることも考えています。果たして、ケンスケとくっつくのは、レイちゃんか、マナちゃん か、それともオリキャラか。 2002.9.10  written by red-x



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