新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第124話

今日は、久しぶりにエヴァゲームをしたの。えっ、結果はどうかって?もちろん、アタシ とシンジの圧勝よ。先日の使徒との戦闘で自信がついたようで、シンジの動きがかなり良 くなっていたからかしら。次に成績が良かったのは、ユキと相田のペア。ヒカリとジャー ジのペアは、僅かにユキ達に及ばなかったわ。 その後、普段ならネルフに直行するところなんだけれど、今日は使徒戦の影響があるから ミサトやリツコは忙しいらしくて、少し遅れても大丈夫なの。で、シンジの奢りでファミ レスに行くことにしたのよ。 お目当ては、もちろんデザートよ。アタシがストベリーパフェ。ヒカリはバナナパフェ。 ユキはチョコレートパフェ。3人共、お目当てのものを食べてご機嫌だったわ。 シンジも、アタシの命令でバナナサンデーを頼んだわ。相田はチョコレートサンデー。で もね、ジャージは頑として断って、コーヒーだけだったわ。祝勝会の時は食べていたのに、 おかしいわね。お腹を壊しているのかしら。 注文した後で、最初にユキがグチをこぼしたわ。 「はあっ、参りましたよ。惣流さん、強すぎますよ。」 そう言って、ガックリと肩を落としたの。まあ、確かにその通りよね。強いって、罪なの かしら。アタシは美しいから、二重の意味で罪なのよね。 「でも、碇君も結構活躍してるわよ。以前とは見違えるような動きに見えたけど。」 おっ、流石はヒカリ。良く見てるわねえ。ユキばかり見ている誰かさんと大違いね。 「確かにそうだな。シンジの動きはかなり良かったよ。」 相田も頷く。ありゃ、前言撤回。なんだ、相田も案外しっかり見ているじゃない。 「ほおっ、そうか。それは、ちいとも気付かんかったわ。」 ジャージは駄目ね。そんなことだから、ユキ達のペアに勝てないのよ。そう思いながら、 アタシはシンジのバナナサンデーを一口頂く。 「あっ、アスカ。酷いよ、僕のを取るなんて。」 シンジは、ちょっとムッとした顔をしたわ。なによ〜っ、シンジ。アンタ、心が狭いのね。 たった一口で文句言わないでよね。 「まあ、いいじゃない。アタシのも一口あげるからさあ。」 アタシは、自分のを一口分すくってシンジの口に押し込んだの。これならいいでしょ。で もね、シンジは何故か顔が赤くなったのよ。 「ん、どうしたのよシンジ?顔が赤いわよ。」 アタシが聞いても、シンジは答えない。 「惣流さん。それって、間接キスですよ…。」 「あっ…。」 ユキに言われて、アタシも初めて気がついたわ。でもね、良く考えたらアタシとシンジは 何度も直接キスをしているのに、どうして今更赤くなるのかしら。 「ア、アスカ…。思ったことを、声に出してる…。」 えっ、ヒカリ。何ですって。アタシは、思わず真っ赤になってしまったわ。ヒカリもユキ も真っ赤になってしまったし、こりゃあ少しまずかったかしらね。 *** デザートタイムは30分ほどで終わって、アタシとシンジはネルフに向かったの。今度も アタシだけリツコの所へと向かったの。 「はーい、リツコ。返事はいかがかしら。」 アタシがリツコの部屋に入ると、リツコはにっこりと笑ったわ。これは、良い返事を期待 出来そうね。 「青葉君とマヤについては、アスカの思った通りよ。ただ、碇司令については、確かな返 事をもらえていないわ。考えておくですって。」 「それでいいわ。断られなかっただけで十分よ。ありがとう、リツコ。」 アタシはそう言って頭を下げたわ。そう、司令ともなると、土日だって急に仕事が入るか もしれない。だから、確かな返事がもらえないことは折り込み済みだったのよ。 もしも、司令がシンジのことを嫌っていたら、又は大事な仕事が入っていたら、即座に断 られるはず。そうならなかったということは、司令がシンジのことを少なからず気にかけ ていて、大事な仕事の予定が入っていないことを示している。 「あらあら、まだどうなるのか分からないわよ。私の見立てでは、まだ五分五分といった ところかしらね。なんだか、司令も迷っていたようだもの。でも、アスカ。副司令が来た がっていたけど、どうしようかしら。」 「えっ、副司令が。一体どうして?」 ちなみに、副司令は誘っていないの。だって、シンジとはあまり顔を合わせていないもの。 「なんでも、副司令はシンジ君のお母さんを知っているらしいのよ。それが理由らしいわ。」 ふうん、そうだったの。アタシの予知夢も、過去の出来事までは分からないから、これは 初耳だったわ。でも、断る理由も見当たらないし、発令所の主要メンバーで副司令だけ呼 ばないのも良くないか。アタシは、迷った末に誘うことにしたわ。 えっ、シンジの意見はどうするのかって?それは全然構わないのよ。だって、そもそもシ ンジには誕生会のことはちゃんと知らせてないもの。 土曜日は、3バカトリオを含むいつものメンバーで集まって祝うことにしてあるし、日曜 日だって、ミサトと二人で祝うことにしてあるから。そうして、当日ビックリさせるつも りなの。おっと、話が脱線したわね。 「副司令がねえ。まあ、別に来たいと言うなら、断る理由はないわ。でもね、アタシやシ ンジは構わないけど、ミサトや他のみんながのんびり出来なくなるんじゃないかしら。」 そしたら、リツコは苦笑したの。 「アスカ。碇司令を呼んでおいて、それはないんじゃないの。司令と比べたら、副司令の 方が、まだのんびり出来るわよ。」 ありゃ。そう言われると、確かにそうだわ。でも、そうなると、もう少し呼ぶ人間を増や した方が良さそうね。アタシは、招待する人間をあと数人増やすことにしたわ。 つづく(第125話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  前回更新から、かなり間隔が開いてしまいました。今後は、不定期更新になりそうです。   2005.11.21  written by red-x



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