新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第114話

「我が、壱中テニス部の勝利を祝して、かんぱーい!」 「「「「「かんぱーい!!!」」」」」 北岡部長の音頭で乾杯すると、みなさんお待ちかねの焼き肉タイムが始まったわ。 「よ〜し、食べるぞおっ!」 「うわあ、こんなにたくさん肉があるの。食べきれるのかしら。」 「大丈夫さ。俺がいくらでも食べてやるさ。」 「お腹、壊さないでよね。」 なんて調子で、途端ににぎやかになったわ。今は、アタシの家にテニス部のみんなが集ま っているの。みんな、一度家に帰って私服に着替えてから来てるの。 で、いくらアタシの家が広いとはいえ、30人以上の中学生がひしめくもんだから、騒が しくなって当然よね。でも、そんな声は無視して、アタシはシンジに話しかけたわ。 「どお、シンジ。2日連続の焼き肉は飽きないかしら。」 「ううん。焼き肉は大好きだから、全然飽きないよ。それより、アスカはどうなのさ。」 「アタシは平気よ。実は、焼き肉以外の料理もあるのよ。」 アタシは、シンジにステーキを見せたの。そう、女子は焼き肉が嫌いな人が多いと思って、 希望者はステーキにすることにしたのよ。でも、結果は予想外だったわ。半分以上の女子 が焼き肉を選んだのよ。 ステーキを選んだのは、アタシ、ユキ、ヒカリを除くと数人だったわ。後の女子は全員焼 き肉を選んだの。これはさすがにアタシも驚いたわ。とはいえ、肉は必要以上に用意して おいたから、足りないなんて事態にはならないんだけどね。 「そうなの、それならいいや。あれ、気のせいかな。僕の肉の色が他の人と少し違うよう な気がするなあ。」 げっ、シンジ。声が大きいわよ。そういうことは、小声で言ってよね。 「ちょっと、シンジ。声を落としてよ。実はね、シンジの肉だけ他の人よりもいいのよ。 だから色が違うのよ。」 「ええっ、そりゃあまずくないかなあ。」 だから、小声で言えっつーの。 「いいのよ。元々その肉はシンジのためにとっておいたものだし。他の人のは、急に焼き 肉になったから急いで取り寄せたものだから、違ってもしょうがないのよ。」 「そうかなあ。なんだか気になるな。」 アンタは気にしなくてもいいんだって。この、小心者め。 「いいから、さっさと食べなさいよ。」 「うん…、分かったよ。」 シンジは、なんだか遠慮がちに食べ始めたわ。 *** 「うへーっ、腹いっぱいになったなあ。」 「うーっ、まんぷく、まんぷく。」 「もう、これ以上は食べられないわ。」 「うわあ、良くこれだけ食べたわねえっ。」 しばらくすると、そんな声が聞こえてきたわ。よし、次はデザートタイムよ。アタシは、 ユキに目配せしたわ。そうしたら、ユキはかねてからの打合せ通りに立ち上がったの。 「女子のみなさん!お腹いっぱいですかーっ!」 「「「「はーい、いっぱいでーす!」」」」 ノリのいい子が何人か応えたわ。 「では、デザートは食べられますかーっ!」 「「「「「食べられまーすっ!」」」」」 あら、今度は人数が増えたわ。 「デザートが欲しい子は、こっちに来てくださーい!」 「「「「「「はーい!」」」」」」 ユキの後ろを、女子がぞろぞろと着いていったわ。 「じゃあ、みなさん。デザート作りを手伝って下さい。材料は今から出しま〜す。」 ユキは、冷蔵庫から材料を次々に出していったわ。プリン、フルーツ、そしてアイスよ。 そしたら、女子の顔がみんな輝きだしたの。 「みんな、デザートを2種類作って下さい。1つは自分の分、もう一つは男子の分です。 どの男子の分を作ってもいいですが、女子同士で競合した場合はジャンケンで勝った方が 渡します。それから、碇君と鈴原君と相田君は渡す相手が決まっているので、渡さないで 下さい。」 そこまでユキが言うと、当然ながら質問が出たわ。 「碇君と鈴原君は分かるけど、相田君の相手って誰なの?」 それを聞いたユキの顔が真っ赤になったわ。でもねユキ。自分で言わないとダメよ。ユキ が言わなかったら、アタシが言うから。そう思ったんだけど、事前の脅しが効いたのか、 かろうじてユキが言ったの。 「あ、相田君の相手は、私です…。」 「「「「えーっ!!うっそーっ!!!!」」」」 女子はもちろんのこと、男子も全員が驚きの声をあげたわ。何よ、相田って。そんなに人 気が無かったの? 「あの、嘘じゃありません。私と相田君は付き合っているんです。だから、そういうこと でお願いします。」 ユキはそれだけ言うと、さっさと二人分作って相田のところに行ったわ。ふふふっ、これ でユキと相田の仲が公認になったわね。相田は、ポカーンとした顔をしてるわ。シンジや 鈴原も驚いているみたい。 「ど、どうしたんだろう、アスカ。森川さん、急にあんなことを言うなんて。」 「べっつにーっ。いいんじゃない。それよりシンジ、アイスが溶けるわよ。」 「あっ、ホントだ。」 シンジは、アタシが作った超ジャンボバナナフルーツパフェを食べ始めたわ。 *** 食べた後は、男女仲良くゲームをしたの。男女がペアになってやるゲームが殆どだったわ。 クジとかじゃなくって、好きな人同士で組むように言ったから、このペアの仲から新しい カップルが生まれるかもね。まあ、それが目的なんだけどね。 グループは二つに分けたわ。片方は少しエッチな罰ゲームがある方。男女ともに同意した らこっちのグループで、どちらかが反対したらあっちのグループよ。もちろん、こっちの グループにはヒカリとユキがいるわ。もっとも、ユキはアタシが半ば脅した結果なんだけ ど。 アタシの目論見では、ペアの雰囲気を盛り上げてくっつけるつもりだったんだけど、少し 当てが外れたわ。シンジが異様にゲームに負けたからよ。ちょっと、シンジ。アンタ、わ ざと負けてんじゃない? 罰ゲームは、キスか相手の体の一部を触ることだったのよ。触る場所はくじで選んだわ。 おかげで、アタシはシンジと何度もキスすることになっちゃったわ。だって、変なところ を触ったり触られたりするのは嫌じゃない。 でも他の子は結構キスを嫌がって、天に運を任せて自爆していたわ。アタシがくじを作っ たんだから、結構凄いこともあったのよね。えっ、何かって。そりゃあ、ちょっと言えな いわ。 あっちのグループは、スキンシップはないけれど、好きな子の名前を言うとか、キスした ことのある子の名前を言うとか、考えようによっては結構厳しい罰ゲームだったけど、そ れなりに盛り上がっていたわ。 てな訳で、テニス部のカップルを増やすというアタシの計画は、順調に進んでいったわ。 つづく(第115話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  アスカは、トウジとヒカリ、ケンスケとユキをくっつけることに成功した余勢を駆って、 他のテニス部の男女をくっつけようと画策します。果たして、上手くいくのでしょうか。   2004.8.7  written by red-x  



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