新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ

第102話

綾波レイとの出会いは、実に印象的なものになったわ。 「おはようっ!綾波さんっ!」 アタシは登校途中の綾波レイにとびっきりの笑顔を向けてあいさつしたんだけど、彼女は アタシには目もくれずにそのまま歩き去ってしまったのよ。げっ、一体何て娘なのかしら。 「ちょ、ちょっと待ってよ。綾波さん。」 アタシはレイの前に回り込んだわ。そうしたら、レイは何て言ったと思う? 「あなたは邪魔。どいてくれない?」 ひっ、酷いこと言うわね。でも、アタシは我慢したわ。アタシが持っている限りの、なけ なしの忍耐力を総動員してね。そしてもう一回にっこりと笑って言ったの。 「邪魔してごめんなさい。それじゃあ手短に用件を伝えるわ。アタシはアスカ。惣流・ア スカ・ラングレー。あなたと同じエヴァのパイロットよ。2週間前からあなたと一緒に戦 う仲間になったのよ。だから、これからは仲良くしましょうよ。」 「どうして。」 げっ。この子って、想像以上の変人だわ。でも、我慢、我慢と。 「どうしてって言われても困るけど、一緒に戦うんだから仲良くしたいなあって思ったの。 それに、その方が碇司令が喜ぶんじゃないかしら。」 アタシが碇司令って言ったら、レイの瞳が僅かに見開いたような気がしたわ。ほんの僅か だけど、脈があったと感じたんだけど、レイの返事はつれなかったわ。 「命令があればそうするわ。」 そう言うなり、すたすたと歩いて行っちゃったの。なっ、なんてことなの。アタシは怒る と言うより呆気にとられてしまったわ。 「アスカ。綾波さんて、酷いことを言う人だね。あんな人が仲間なの?なんか嫌だな。」 いつのまにかシンジがアタシの隣に立って、頬を膨らませていたわ。それを見て、アタシ は気を落ち着かせたの。シンジとレイの仲が悪くなるのは避けたいからよ。 「ううん、いいの。ミサトも言ってたじゃない。『ちょっと変わった子だから、最初は戸 惑うと思うけど。いい子だから仲良くしてあげてね。』って。たぶん、急に声をかけられ て驚いたか、気分が悪いか、多分そんなのも原因じゃないかしら。これから仲間になるん だから、少々のことで怒らないでね。」 「そうかなあ。まあ、アスカがそう言うならいいけどね。」 「そう?ありがと、シンジ。アタシの言うことなら、何でもきいてくれるのね。とっても 嬉しいわ。」 アタシはそう言いながらシンジの手を握ったの。 「あっ、当たり前じゃないか。僕は、アスカのことが好きなんだから。」 シンジもアタシの手を握り返してきたわ。ふうっ、良かった。シンジは、アタシが言えば レイともそこそこ仲良くしてくれそうね。これならうまくいくかもね。 「でも、綾波さんて、結構可愛いんだね。」 むっ。シンジったら何て事言うのよ。アタシはシンジのお尻を軽くつねったわ。 「いっ、痛いよ、アスカ。何をするんだよ。」 「ふんっ、自分の胸に手を当てて、よ〜く考えてみなさいよ。」 前言撤回だわ。シンジとレイがあんまり仲良くなっても困るのよね。 「ねえ、どうしたんだよ、アスカ?」 ふん、このニブチン。アタシは頬を膨らませて走り去ったわ。 *** その後、何度かレイには声をかけたんだけど、大抵は無視されちゃったわ。たまに反応が あったとしても、そっけないものだったし。はあっ、これは前途多難ね。でも、レイから は悪意は感じられないから、何か理由があるのかもね。まっ、時間をかけていくしかなさ そうね。 そんなこんなで午前中の授業はあっと言う間に過ぎて、待望のお昼休みになったの。もち ろん、いつもの場所にダッシュしたわ。そこで話題になったのは、もちろん海への旅行の ことよ。 アタシ達が海に行ったことが他の生徒に知られると困るから、今まではその話題には触れ ないでいたの。だから、やっと話が出来るようになったっていう訳なのよ。 話題の中心は、もちろんユキよ。 「ねえ、ユキ。相田君とは付き合うことにしたの?」 アタシったら、知っているくせに聞くなんて、ちょっと意地悪だったかしら。 「え、ええ。そうです。」 ユキが頷くと、鈴原はニカッと笑ったわ。 「良かったやんけ、ケンスケ。うまくやるんや。」 「おめでとう、ケンスケ。良かったね。」 鈴原とシンジは、相田に遅い春が来たことを一緒になって喜んだわ。 「ありがとう。それもこれも、みんなのおかげだよ。」 なんて言いながら、相田はにっこにこだったわ。ふん、アタシに感謝しなさいよね。 それからあとは、海に行った時のことでワイワイ盛り上がったんだけど、アタシはさりげ なくエヴァゲームの話をしたの。 「ねえねえ、あのゲームなんだけど、学校の近くのゲームセンターに置いてあるらしいの よ。今日の帰りにやらない?」 「ええ、いいわよ。」 ヒカリはすぐに賛成したわ。 「ええ、いいですよ。今度は惣流さんといい勝負をしてみせますよ。」 勝ってみせるって言わないから、ユキもアタシの強さは良く分かっているようね。もちろ ん、男どもは賛成したわ。 「じゃあ、決まりね。おとといと同じく、アタシがちょちょいのちょいって勝ってみせる わね。」 こうして、アタシ達は学校帰りにゲームセンターに寄ることになったのよ。しめしめ、う まくいったわ。色々と策をめぐらせた甲斐があったわね。なんとかシンジにエヴァの訓練 をさせることが出来そうだわ。 えっ、どういうことかって?エヴァゲームをすることは、そのまんまエヴァの訓練になる のよ。それでいて、一応ゲームだから楽しく出来るのよね。これならシンジだってエヴァ の訓練が長続きするわよね、きっと。 つづく(第103話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  レイが登場しましたが、さすがのアスカも手を焼きそうです。   2004.2.26  written by red-x



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