新世紀エヴァンゲリオン 外伝 超少女アスカ


第13話

3人共、アタシにお礼を言ったわ。そう言われると、また作りたくなっちゃうじゃない。 もっとも、アタシはシンジがこの2人と仲良くなるまでそのつもりだったけどね。 「そうね、また今度、作ってあげるわ。」 でも、アタシは、そう言った瞬間、後悔したわ。だって、お弁当って、作るのが凄く面倒 なんですもの。あ〜あ、シンジが作ってくれないかな。 こうして、アタシ達4人の、楽しいお弁当タイムは終わったの。 *** お弁当を食べたら、リツコ達にさよならを言って、部屋を出たの。これからは、自由時間 ね。アタシはシンジを連れ回す…いや、デートすることにしたわ。アタシ達、恋人同士な んだから、デートするのが当然よねえ。 「ねえ、シンジ君。時間があるから、デートしようよ。」 アタシが何気なく言ったのに、シンジったら、固まっちゃったよ。もう、勘弁してほしい わ。どこの世界に、恋人とデートするのに固まる男がいるのよ。 「デ、デ、デートって…。」 シンジは、口をパクパクしたの。だから、アタシ、言ってやったの。 「んもう、何照れてるのよ。一緒に寝るほどの仲なのに。」 「そ、そ、そ、そうだね。」 あらやだ。シンジったら、まだ話がぎこちないわ。 「いいから、行きましょうよ。」 アタシは、シンジの手を掴んで、目的地へと向かったわ。 *** アタシは、この市で一番大きなデパートへ行って、迷わず洋服売り場へ直行したわ。そし て、色々と試着して、シンジに見てもらったの。1回からかって下着姿を見せたら、シン ジったら、鼻血を流しちゃったのよ。シンジったら、純情なのか、お子さまさのか、良く 分からないわねえ。 さすがに、下着売り場までは、シンジを連れて行かなかったけど、水着売り場には連れて 行ったわ。ここでも、シンジは真っ赤になっちゃって、面白かったわ。アタシは、ここで 水着を3着買ったの。学校で使うスクール水着と、アタシの好きな赤と白のストライプ模 様のビキニと、真っ黒のビキニよ。 シンジは、普通の競泳用の水着を2着買ったようね。まあ、変なものを買うよりはいいけ ど、もう少し何とかして欲しかったわよね。 アタシ達は、お店をたくさん回ったけど、合間にシンジの服も選んで、買ってあげたの。 シンジは嫌がっていたけど、給料が出たら返してくれれば良いって言って、納得させたわ。 シンジにも気を使わないと、嫌われちゃうかもしれないものね。 それに、買った物は、全部宅配にしたの。だから、シンジは荷物持ちじゃないから、一緒 にショッピングを楽しめたって訳よ。 合間に休憩して、ケーキとパフェを食べるのも忘れなかったわ。アタシ達は、恋人同士だ から、もちろん半分ずつ食べたわ。シンジは真っ赤になっていたけど、まんざらでもなさ そうだったわね。 そうそう。アタシは、歩き回っている間、ずっとシンジと手をつないでいたの。シンジは、 最初は恥ずかしそうにしていたけど、最後の方では、気にしなくなっていたみたい。明日 もこうだといいけどね。 *** デートの締めくくりには似合わないけど、最後にスーパーに寄ったの。昨日、シンジがた くさんお肉を食べたから、買い足すためと、木曜日からのお弁当用のおかずを買うためな の。結構、レンジでチンすればOKっていう食べ物は多いのよ。だから、助かっちゃうわ。 でも、必ず1品は手を抜かないものにするの。要は、メインのおかずね。月曜日はチキン、 火曜日は海老、水曜日はハンバーグ、木曜日は魚、金曜日はポークかビーフっていう感じ に決めておくと、後は結構楽なのよ。実際は、2週間周期で変えるけどね。 例えば、今週の水曜日はチーズハンバーグで、次週の水曜日は目玉焼きハンバーグってい う感じにアレンジするのよ。 メインのおかず、主菜が決まると、後はお野菜とサブのおかず、副菜を考えれば良いだけ なのよ。お野菜は、ポテトサラダ、野菜炒め、キャベツの千切り、ほうれん草のソテー、 レタスをその時々の気分や準備の都合で添えるのよ。 最後は、冷凍食品の出番ね。冷凍コロッケ、ミニハンバーグ、シュウマイ、冷凍たこ焼き、 スパゲッティー、ミニカツなんてものを、さっと揚げたり、レンジでチンしたりすれば、 出来上がるのよ。 今度、シンジはどう作るのか、聞いてみよう。クラスの女の子に聞いても良いわね。もっ と楽な方法があれば良いけど、ちょっと無理かしら。 とまあ、そんなわけで、アタシ達はスーパーで一杯買い物をして、家に帰ったの。色々買 ったから、アタシ達が家に着いたのは、6時過ぎだったわ。 「ねえ、シンジ君。今日は、おでんにしようと思っているけど、いいかしら。」 「うん、いいよ。でも、僕が料理当番だから、一緒に作ろうよ。」 あら、アタシったら、すっかり忘れていたわ。でも、おでんなら、準備も楽だし、早くで きるし、いいわよね。 結局、シンジがおでんの素を作ることになったの。それで、アタシはおでんに入れる具の 用意をすることにしたの。 今日のおでんは、ミサトが好きな物が多いのよ。タコ、骨つきの鶏肉、ジャガイモ、ばく だん、モチ入り巾着、ちくわ、揚げボール、大根、はんぺん、とまあ、こんなものかしら。 シンジは、ちょっと考えて、タコを片付けたわ。なんでも、タコと鶏肉は一緒にしたくな いんですって。 アタシは、良いけど、ミサトが何か言うかもしれないから、タコの代わりにイカにして、 しかも丸焼きにしたの。これならミサトも喜ぶと思うわ。 こうして、アタシとシンジは、仲良く一緒にお料理したの。でも、楽しい時間はあっと言 う間に過ぎるものなのね。7時前には準備も終わって、いつでも食べられる状態になって、 ミサトを待つだけになったのよ。 つづく(第14話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  本編とは違い、荷物持ちにされないシンジ。ちゃんとデート気分を味わえるでしょう。 2002.3.26  written by red-x



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