新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ
第74.5話 悪巧み
「「「ジャンケン、ポン!」」」
「「「あいこでしょ!」」」
「やったあ〜っ!勝ったわ〜っ!」
「き〜っ!悔しい〜っ!」
「そ、そんなあ〜っ!」
学校の片隅で、3人の女の子がジャンケンをしていた。だが、それはただのジャンケンで
はなかった。シンジへのアプローチ権を賭けたジャンケンだったのだ。
「よ〜しっ!これで碇君は、私のものよっ!」
そう言うのは、ロシア支部のエカテリーナ。
「あ〜あっ。私は二番手か。」
そう愚痴るのは、オーストラリア支部のジュリア
「私は最後なの〜っ。参ったわね〜っ。」
最後はドイツ支部のハンナである。
実は今、3人でシンジにアタックしようと悪巧みを計画していた。シンジを軟禁し、色仕
掛けで迫ろうとしていたのだ。
だが、最初に誰が迫るのか、その場で争うのは愚かしいので、前もって決めようという話
しになったのである。
「いいなあ、エカテリーナは。」
ジュリアは恨めしそうに言う。
「何言ってるのよ、あなたはまだお子ちゃまなんでしょ。あなたが最初だったら、上手く
いくものも上手くいかなくなるわよ。みてらっしゃい。碇君を私のモノにしてみせるわ。
惣流アスカなんには負けないんだから。」
「でもさあ、碇君たら、惣流さん一筋っていう噂でしょ。惣流さんの悪口を言ったイギリ
ス支部のイライザは、思いっきり頬を引っぱたかれたっていう話しだし。うまくいくかな
あ。」
ハンナは不安げである。
「ふん、大丈夫よ。碇君だって男の子だし、目の前のごちそうを見逃すはずが無いでしょ。
それに、もし駄目だったとしも、裸で絡み合っている写真を撮って、いざとなったら脅せ
ばいいじゃないのよ。アスカに見せるって言えば、碇君なら何でも言うことを聞きそうじ
ゃない。」
エカテリーナは、胸を張る。
「でもさあ、上手く行き過ぎて、子供が出来ちゃったらどうするの?」
ハンナは、まだ不安そうである。
「馬鹿ねえ、結婚を迫ればいいじゃない。そうすりゃあ、ネルフ司令の親族よ。パイロッ
トやるよりも、よっぽどいいじゃない。」
こうして、3人の少女達による悪巧みが、着々と進行しようとしていた。
(第75話へ)
(目次へ)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
あとがき
果たして、シンジの運命はいかに?
2003.5.31 written by red-x