「ほう、弍号機をドイツ支部にとな。」
「ああ、そうだ。アスカ君の提案だよ、碇。アスカ君の話によると、パイロット同士の諍
いが、看過出来ない位、大きくなっているそうだ。この辺で、何らかの手を打つ必要があ
るというのが、アスカ君の意見だ。」
「で？」
「ドイツ支部に回す予定だった機体を、フランス支部に回す。そして、各支部のエヴァと
パイロットとの関係を明らかにする。」
「ほう。」
「今の段階では、素案ということにして発表する。だが、それでも今の諍いを下火にさせ
る効果はあるだろう。
ドイツ支部のエヴァのパイロットは、ドイツ支部とドイツ第２支部から選ぶ。
エジプト支部のエヴァのパイロットは、エジプト支部とインドネシア支部から選ぶ。
フランス支部のエヴァのパイロットは、フランス支部、ロシア支部、イギリス支部から選ぶ。
アメリカ支部のエヴァのパイロットは、アメリカ支部とアメリカ第３支部から選ぶ。
中国支部のエヴァのパイロットは、中国支部とインド支部から選ぶ。
ブラジル支部のエヴァのパイロットは、ブラジル支部とオーストラリア支部から選ぶ。
但し、必要に応じて、近隣支部のパイロットを選ぶ可能性もある。例えば、中国支部のエ
ヴァのパイロットに、ロシア支部のパイロットを選ぶこともあり得ると発表するのだ。
こうしておけば、ドイツ派、反ドイツ派それぞれの中での競争が表面化し、両派の決定的
な反目という事態にはならないだろう。」
ちなみに、パイロット達は、概ね次のような勢力に別れている。他にも、イラク問題への
対応についても、米独間のいさかいがある。
ド イ ツ派：ドイツ２支部、エジプト支部、インドネシア支部、中国支部
反ドイツ派：イギリス支部、フランス支部、ロシア支部、アメリカ２支部、インド支部
中 立 派：ブラジル支部、オーストラリア支部
中国支部とインド支部を除いて、同じ派内での争いになることから、ドイツ派と反ドイツ
派の争いは自然消滅するか鎮静化するというのが、アスカの意見だった。
「よかろう。反対する理由は無い。」
「しかし、今からこれでは、頭が痛いな、碇よ。」
「ああ、そうだな。」
そして、翌日にはこの内容が発表された。そして、各支部の正パイロット候補も同時に発
表されたのだが、これが後で大きな波紋を呼ぶことになる。
支部のエヴァンゲリオン部隊の隊長：ハウレーン
中国支部のエヴァの正パイロット候補 ：ミンメイ
ドイツ支部のエヴァの正パイロット候補 ：マリア
アメリカ支部のエヴァの正パイロット候補：キャシー
ブラジル支部のエヴァの正パイロット候補：ミリア
エジプト支部のエヴァの正パイロット候補：サーシャ
フランス支部のエヴァの正パイロット候補：ハウレーン
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あとがき
研修生同士の争いに対して、アスカの策は、果たして効果があるのでしょうか。
2003.5.23 written by red-x