新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ


第48.5話 臨時ボーナスその2

 話はお昼に遡る。 「何か,僕を見る目がいつもと違うなあ。」 シンジはお昼ご飯を食べながら呟いた。 「うん,そうだな。確かにいつもと違うよ。」 ケンスケも同意した。今は,いつものメンバーであるシンジ,トウジ,ケンスケ,カヲル, ヒカリ,ユキ,マリアの7人がお昼のお弁当を食べているところだ。 ちなみに,アスカは婚約解消を発表してからは,転校生達と一緒に食べているため,シン ジはお昼には少し元気が無い。    「シンジはテレビにばっちり映ったからな。しかも,ここに向かっているSLBMを破壊 するところもな。あのお蔭で皆の命が救われたんだから,皆感謝しているんだよ。」 ケンスケはにこにこ笑っている。 「そうですよね。それに,『皆さん,紹介します。エヴァンゲリオンのエースパイロット, 碇シンジですっ!』って言われていましたし。」 ユキもにこにこしている。 「でも,恥ずかしいな。それに,エヴァに乗っているのは僕だけじゃないし,敵のミサイ ルを撃ち落としたのも,たまたま僕が待機していたからだし。」 「なんや,シンジ。お前は良く頑張っているんや。胸を張っていいんや。恥ずかしがる事 なんて,あらへん。」 「でもなあ。」 落ち着かないシンジであった。だが,ケンスケが話を変える。 「まあ,それより,良いニュースがあるんだぜ。何と,俺達パイロットに,臨時ボーナス が出るらしいんだ。」 「何っ,それはほんまか。」 「ああ,惣流から聞いたから間違いないよ。なあ,シンジ。」 確かに,その話なら聞いていた。しかし…。 「うん,でもネルフの職員全員に出るっていう話だったよ。」 「おい,シンジ。ばらすなよ。俺の口から言おうと思っていたのに。」 そう言いながらも,ケンスケは笑っていた。 「も,もしかして,私や洞木さんにも出るんですか。」 ユキが恐る恐る聞いてきた。そう,ユキとヒカリは,ネルフの臨時職員として雇われてい ることになっているのだ。ヒカリは『パイロット不在時における,パイロットの妹の保護』 つまりトウジの妹の世話が仕事になっている。 一方のユキは,ミサト家の家事全般が仕事である。もっとも,ヒカリもユキもやっている ことは同じであったけれど。 「ああ,そうだよ。惣流に感謝するんだな。」 良いニュースを聞いて,皆の表情,特にトウジの表情は明るくなった。 (第49話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2002.8.2  written by red-x



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