新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ



第25.5話 資格抹消


 始業式の数日前,本部にて,今年になって初めてのシンクロテストを行った。当初は, ここまで来るのに,後3カ月以上かかるはずだったのだが,主にアスカの活躍によって, 大幅に期間が短縮されていたのだ。 このテストには,3人のチルドレンが参加していた。それに加えて,ゲンドウ,冬月,リ ツコ,ミサト,加持,ヒカリといった面々が立ち会っていた。加持とヒカリは,アスカの ことを考えて,特別に許可されていた。 「アスカ,あまり気負わないようにね。」 シンジは,何を言っていいのか迷ったが,とにかく声をかけた。 「シンジったら,心配しなくてもいいわよ。当分は,ろくな成績を出せないのは分かって いるから。」 そう言って,アスカは笑って応えた。 「それじゃあ,テストを始めるわね。」 マヤの言葉を合図に,テストが始まった。 テストの結果は,事前に予想された範囲だった。シンジが80%,トウジが40%,アス カは何と9%だった。シンジとトウジは,エヴァの起動に問題無かったが,アスカは起動 指数すら下回っていた。 この結果により,アスカにはゲンドウから命令が下された。 「セカンドチルドレンの資格は抹消する。」 「父さん!そんな,酷いよ!」 シンジは叫んだが,アスカがそれを押し止めた。 「シンジ,止めて。アタシが望んだことなの。だから,止めてちょうだい。」 「でも!」 「アタシのことが好きなら,それ以上言わないで。お願い。」 そこまで言われると,さすがにシンジは何も言えない。 「分かったよ…。」 シンジは力無く呟いた。 「その代わり,アタシのことを守ってね。お願い。」 今度は,守秘回線を使って,シンジにしか聞こえないように言ってきた。 「もちろんだよ,アスカ。」 シンジの顔は,少しだけ明るくなったが,アスカの顔は複雑だった。 なお,セカンドチルドレンの資格を抹消されたアスカではあったが,予備役パイロットと して,今後もエヴァの各種試験には参加することになった。また,ER計画(EVANGELION 再生計画)が軌道に乗ったこともあり,新たに諜報部の対ゼーレ諜報戦専任副部長に任命 された。 (第26話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― あとがき  とうとうアスカは,チルドレンの資格が抹消されます。でも,技術部その他で,これか らは大活躍することになるでしょう。 2002.2.22  written by red-x



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