新世紀エヴァンゲリオン 蒼い瞳のフィアンセ



第16.5話 遺言


「ちくしょう!何てこった!」 男は、敵から逃げていた。だが、追手によって、追い詰められていく。 「俺が、あんなミスをするなんて。」 男は、敵のアジトと思われた場所にうまく潜入したが、ほんの小さなミスを犯した。彼が 犯したミスは、些細なものだった。だが、結果として、敵に追い詰められる結果となって しまった。 「バン!」 目の前を鉛玉が横切った。 「久しぶりだな。」 男が視線を向けると、戦場では、決して出会いたくないと思う、昔の戦友が立っていた。 コードネームは、ジャッジマン。殺しのプロであり、彼に裁けない人はいないと言われる ほどの腕を持った男だ。その力量は、誰しも認めるところだった。 「一体、何を嗅ぎ回っていたんだ。だが、まあいい。お前はここで最期だ。」 「バン!」 男は、拳銃に手をかけようとしたが、無駄だった。ジャッジマンの、神業とも言える早撃 ちによって、男の拳銃は、弾かれてしまった。男は、丸腰になった。 「昔のよしみだ。遺言があれば、聞いてやる。」 男は、万策尽きたことが分かったため、覚悟を決めた。 「…ある女性に、伝言して欲しい。」 男は絞り出すように言った。 「ほう、何だ。」 ジャッジマンは、真剣な表情になっている。 「心から愛していた。すまない。そう伝えて欲しい。」 「ほう、お前にも、そんな女がいたのか。で、その女は誰だ。」 「…葛城ミサト。ネルフの作戦部長だ。」 そう言うと、男は死を覚悟して、目を閉じた。 (第17話へ)

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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 2001.12.21  written by red-x